
「マネーで学ぶ英語」オバマやグリーン・スパンなど著名人の発言からマネーと英語を学べるという一石二鳥な連載。自然と記憶に残るようなフレーズと分かりやすい解釈つきだから、マネーと英語を同時に学ぶなんて難しい!なんてことは心配無用。
マネーで学ぶ英語
更新日:2009年10月16日
アラン・グリーンスパン議長の後任、ベン・バーナンキFRB議長は、当時の金融政策を"brain surgery with a sledgehammer"と表現。この表現から読みとれる意図とは?そしてその金融政策について前回のレッスンも踏まえて深堀していきましょう。
There is no way to direct the effects of monetary policy at a single class of assets while leaving other financial markets and the broader economy untouched. One might as well try to perform brain surgery with a sledgehammer.
金融市場全体や広汎な経済に手をつけずに、一種類の資産にのみ影響を与えるように金融政策を誘導することなんてできない。それはまるで、大ハンマーで脳外科手術をするようなものだ。
brain surgery with a sledgehammer 「大ハンマーで脳外科手術をする」
前回紹介したアラン・グリーンスパン議長の後任、ベン・バーナンキFRB議長の発言から今回押さえておきたいのは、"perform brain surgery with a sledgehammer"。「大ハンマーで脳外科手術をする」のは、その場をイメージするだけで「ありえない!」と思います。
つまりは、前半で述べている金融政策の話はそのぐらい「ありえない!」と強調するための表現で、公式の場でのスピーチでも面白い表現をするのがアメリカ的ですね。よく、日本よりもアメリカの方がユーモアが重視されるなんて言いますが、こんなところにも表れています。
さて、英語の表現が分かったところで、何が「ありえない!」のか、肝心のマネーの話もチェックしてみましょう…と言って、訳文を読んだだけでは分かりにくいかもしれません。そう、それはあたかも、経済新聞の記事は日本語だって分かりにくいようなもので、背後にあるマネー知識がないと苦しいかも…?
と言うときに役立つのが、マネー・カレッジの「経済ダイヤモンドモデル」。これらを見ながらマネー知識も英語もゲットしちゃいましょう。まず"single class of assets"は、「物価」という図中では上にある黄色い丸と考えてください。もうちょっと具体的に言うと、実は住宅価格です。
そして、後半の、"other financial markets and the broader economy"は、ダイヤモンドモデル全体と考えると良いですね。そうすると、ダイヤモンドモデル全体をuntouched、つまり、手を触れない状態で、住宅価格にのみ金融政策の効果を誘導することはできない、と分かってきます。たしかに、ダイヤモンドモデルの4つの要素は結びついているので、他に影響を与えずに一つだけをいじるのは難しそうですね。それこそまさに、大ハンマーで脳外科手術をするぐらい「ありえない!」。
ん?それって…!?
とピンと来た人は、だんだんと頭の中にマネーのフレームワークができています。そうです。前回のグリーンスパン議長の発言を思い出してみてください。金利を上げるペースが遅すぎたのが「住宅バブル」の原因で、グリーンスパン議長もミスをしてしまった、というトーンで書きましたが、実はそれだけではないんです。
いや、実は、「巨匠」と呼ばれたグリーンスパン議長だからこそ「先読み」したのでしょう。つまり、金利を上げるペースが速すぎると、逆にダイヤモンドモデル全体へ悪影響がでることを懸念して、慎重な舵取りを行ったと言うのが正しい見方の気がします。
今回は、物価を中心に経済ダイヤモンドモデルを見て、一つの変化が他にどのような影響を与えるか、という「先読み」にも触れました。「先読み」の重要性は今さら言うまでもないでしょうが、実際に、いるんですよ。「先読み投資」をしたことによって、大金持ちになった人が。ちょうど日本へ来ることがウワサされている「あの男」の英語を次回は読み解きます。
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