この秋買い！ タータンチェックで英国気分

ファッション界を刺激し続ける、英国スピリット

スウィンギング・ガールへのチケットは、タータンチェックを身に纏って。

この秋、ブリティッシュ・テイストがファッション界で注目を集めています。今年最大のファッション・イベントとして、NYメトロポリタン美術館で開催された「アングロマニア」展。1976年から2006年までの英国ファッションを一堂に見せてくれたこの展示会。イギリスの著名なカントリーハウスから調度品を数多く運び込み会場をデコレートして、イギリス中世の趣あるドレスを展示してあるかと思いきやパンクファッションが混在していたりなど、イギリス文化をファッションの視点から大胆に視覚化する試みで、パストとプレゼントの対立、また伝統と反抗のバランス感覚を持って生まれた、独創的かつウィットに富んだ自由な美意識で創られた作品が多数展示されていました。

英国ほど、ファッション界を震撼させる国はないと言っても過言ではありません。伝統的でありながら、革新的なファッションを発信し続ける国。最も優雅でトラッドな国でありながら、エキサイティングで過激なスタイルを生み出す国。フォーマルでありながら、なおかつパンクな要素を併せ持った国―そんな相反する要素、紙一重の表情を持つ、決して人々を飽きさせることのない刺激的な国、それが英国なのです。

【CONTENTS】
Page１：ブリティッシュ・ビートは、タータンチェックが奏でる
Page２：今秋お役立ちのタータンチェックアイテム図鑑

ブリティッシュ・ビートは、タータンチェックが奏でる

（左）マスキュリンなタータンチェックのスーツを纏うツィギー。写真：UN SECOLO DI MODAより抜粋。（右）エキセントリックなファッションが、彼女のアイデンティティを示している。ファッション・ジャーナリスト、アンナ・ピアッジ。

英国ファッションを語る上で、欠かせないものと言ったら、やはりタータンチェック。もともとタータンチェックとは、チェックの代表的な柄として、スコットランドの民族服に使われていた大柄の格子模様のこと。スコットランドの氏族を表すための飾章、紋章として儀式、狩猟、紛争などの非日常的な場面において用いられた歴史を持ちます。また「タータンチェック」という名称は日本においてのものであって、本場スコットランドでは「タータン」あるいは「タータン・プラッド」という名称で呼ばれています。「プラッド」とは格子柄の意味です。

イギリス・ファッションは、常にストリート、音楽そしてアートといったカルチャーと密接にリンクして創造されてきました。今でも語り継がれる伝説のバンド、ビートルズや、ベイ・シティ・ローラーズ（BCR）など一世を風靡した英国ミュージシャンらが、その当時衣装として取り入れていたタータンチェックが、英国ストリートカルチャーに多大な影響を及ぼしました。2006年秋冬ファッションは、そうした歴史的背景を感じながら、イギリスカルチャーの革新から生まれた魅惑的なタータンチェックに身を包んでみては？

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