郵便局時代の名残がある、ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行って、どんな銀行?
ゆうちょ銀行は、郵便局の民営化により2007年10月に誕生しました。郵便局の貯金を取り扱う部門が、株式会社ゆうちょ銀行として民間の銀行になったわけです。その際、商品やサービスの見直しが行なわれました。とはいえ、郵便局時代の商品の多くが、ゆうちょ銀行に引き継がれ、今も、ほかの銀行とは違う、いくつかの特徴が残っています。
預入は1人1000万円まで
ゆうちょ銀行に預けることができるのは、1人1000万円まで。普通の銀行には、こういった限度はありません。そもそも郵便貯金は、庶民に貯蓄をすすめ、貯金として集めたお金を政府の方針で社会整備のために使おうということから始まったものです。少い金額から、誰でも貯金できることが原点。しかも、後ろ盾として国がついていました。そのため、限度額が決められてきました。民営化後も、この限度額は生きています。
郵便局といえばこれ、定額貯金も健在
普通の銀行で、一定の期間お金を預けるといえば、定期預金ですね。ゆうちょ銀行にも定期貯金があります。さらに、ゆうちょ銀行には、「
定額貯金」という独自の貯金があります。年配の方の中には、金利の高い時期に郵便局の定額貯金に預けて、たくさんの利子をもらった方がいらっしゃるはずです。
定額貯金の特徴は、次の3つです。
- 預けて6ヶ月経てばいつでも解約ができ、最長10年まで預けられる。 →使い勝手がいい。
- 最初の3年は6ヶ月ごとに金利が上がっていく段階金利、全期間に渡って半年複利。 →長く預けるほど複利効果で利子が増える。
- 固定金利。 → 高金利のときの預入れが有利。
現在は低金利なので、残念ながら定額貯金はあまり有利ではありません。ただし、6ヶ月経てばいつでも解約できるので、いざというときのお金の預け先に、よさそうです。
ゆうちょ銀行には、住宅ローンがない?
普通の銀行は、お金を預かる一方で、そのお金を企業に貸し付けています。住宅ローンや教育ローンなど、個人にもお金を貸しています。そうすることで利益を得て、その利益から預金者に利子を払っています。
郵便局の場合、郵便貯金として預かったお金は、国の事業に使われてきました。このお金の使い道に無駄が多く不透明だという批判が、民営化につながりました。民間の銀行になった以上、預かったお金の運用先も、ゆうちょ銀行自ら決めねばなりません。運用に関しては、まだまだこれからのようです。
とりあえずというわけでもないでしょうが、ゆうちょ銀行では、スルガ銀行と提携して、個人ローンの取扱いを始めました。住宅ローン、カードローン、目的別ローンなどです。ただし、あくまでスルガ銀行のローンを代理業者として扱っているだけで、ゆうちょ銀行自らローンを手がけているわけではありません。
普通の銀行との共通点は?
こういった特徴を残しながら民間の銀行になったのですが、変わったこともあります。もっとも大きな点は、万一の場合の保障です。
銀行が倒産したときのために、民間の銀行は預金保険制度に加入しています。民営化にともない、ゆうちょ銀行も預金保険制度に加入しました。万一のときの後ろ盾が、国から預金保険制度になったわけですね。つまり、ゆうちょ銀行の経営が行き詰まり倒産したときは、1人1000万円までの預金とその利息が、預金保険制度により保障されます。この預金保険制度による保障は、普通の銀行と同じです。
まだ、国がついている?
株式会社になったものの、その株を100%持っているのは、日本郵政株式会社という持ち株会社です。そして、その日本郵政株式会社の株は100%政府が所有しています。
まだ後ろには国がついているようなものですね。そして、2009年9月に誕生した民主党政権は、民営化の見直しを掲げています。うーん、ゆうちょ銀行は、どうなるのでしょうか?
見直しの対象とされているのは、経営上の組織のあり方や、いずれ政府が株を手放すかどうかなどが中心ですから、現在のゆうちょ銀行の商品が、すぐに変わることはなさそうです。