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妊娠中の水ぼうそう(2ページ目)

水痘は春のありふれた病気ですが、もし免疫がなかったら、妊娠中の人は要注意です。感染力が強力なので甘く見ないで。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

感染力が強力な病気

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お話しいただいた小島俊行先生  

この病気は感染力がとても強いので、まわりで水痘になった人が出たら、抗体のない人は十分に気をつけて下さい。病院も、水痘の人が入院するときは感染症専門の病院に入院してもらうくらいです。内科の入院になることはあると思いますが、妊娠中や産後でも産科病棟に水痘の人が入院することはありません。

水痘にはワクチンがありますが、妊娠中は打ってはいないことになっています。今までに水痘ワクチンを打って赤ちゃんに先天性水痘症候群が出た例はないのですが、一般的には打ちません。

不安があったら抗体検査を


診察室では、いろいろなケースを見てきました。「水痘の子供と接触したけれど大丈夫だろうか」と言って見える方は多いですね。友達の子が遊びに来て一日一緒に過ごしたら翌日発疹が出て‥‥というようなケースです。子供を連れてきた人もどうしたらいいのかわからない気持ちでしょうね。このような時にできることと言えば、まずは抗体検査です。

皮内反応を見る48時間くらいでわかる方法もありますし、血液検査でも一週間くらいで結果が出ます。あとは祈るだけですね。羊水検査をしてくれる研究施設は、ほとんどありません。

抗体があるという結果が出れば安心です。抗体は感染して症状が出て治っていく過程でできるものなので、接触して1週間後に存在する抗体は昔の感染でできたものと考えられます。でも、もし抗体がなかったら、あとはうつっていないことを祈るのみです。

妊娠中の感染症については、妊娠してからではおそいという場面が少なからずあります。本当は妊娠しようと思った時点で、まだ抗体のない病気のワクチンをしておくといいですね。



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◆このシリーズは、小島俊行先生(三井記念病院産婦人科部長)にご協力をいただいてお送りします。
三井記念病院産婦人科
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