妊娠の基礎知識/妊娠中の不安・疑問

流産しない為の対策ってあるの?

流産のほとんどは防げないが、中には、早期に発見し、適切な治療を受けることでで流産を避けることができる。代表は「頸管無力症」で、子宮筋腫やウイルスによる流産もこの仲間だ。

河合 蘭

執筆者:河合 蘭

妊娠・出産ガイド

東京大学医学部附属病院女性診療科・産科講師、藤井知行先生にお聞きします。

流産の大多数は、防ぐことができない受精卵の異常が原因です。高齢妊娠や不妊治療での妊娠に流産が多いのも、卵に異常がある率が高まるためです。
しかし、少数ではあるものの、他の理由がある流産もあります。次のようなことがあると、流産が起きやすくなることがわかっています。その場合は、適切な治療を受ければ、流産の可能性を大きく減らすことができます。

頸管無力症



子宮の出口部分の細くなったところ「頸管」(子宮口と大体同じ意味)
が、陣痛がないのに開いてきてしまうことです。妊娠15~16週から24~25週にかけてよく起き、中期流産の理由ではもっとも多いものの1つです。超音波で見ると、内側から開きかけている子宮口の形がはっきりとわかります。さらに開いてしまって赤ちゃんを入れている袋が子宮の外にまで出てきたりすると治療が大変になるので、早めの発見が大事です。

頸管無力症の手術


私の外来では、頸管無力症を経験したことがある人は、危険期には一週間に一度内診と超音波検査をして、兆候がないかどうか見守ります。そして、子宮頸管の長さが減り始め、一定の長さを切ってしまったら、子宮口をひものようなテープでしばる手術をします。
手術は腰椎麻酔か全身麻酔でおこないます。

本人の「いつ開き始めるかわからない」という不安が大きいとき、あるいは医師の方針によっては、はじめから縛ることも少なくありません。ただ、これも手術ですから、感染や炎症が起きる可能性はあり、炎症が起きれば流産の可能性もあります。先に手術をしてしまえば安心、という考えもありますが、私は、原則として、必要が起きた人に手術するようにしています。

>>次はそれ以外に考えられる 流産の原因をご説明します>>
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます