すでに分譲マンションの8割以上が、地デジ対応への準備を進めている。
読者の皆さまのご家庭では、地上デジタルテレビ放送(地デジ)への移行はお済でしょうか。総務省などが今年3月に行った「地上デジタルテレビ放送に関する浸透度調査」によると、エコポイントなどの効果もあり、地デジ対応受信機の世帯普及率は83.8%まで到達していることが分かりました。
分譲マンションだけを見ても、81.4%の管理組合が「マンションの共同受信施設が地デジに対応している」と答えており、調査結果からはスムーズな移行が実現しているように見受けられます。
参考までに、「受信機の購入動機」および「受信機を保有していない理由」については以下のような結果が出ています。アナログテレビ放送が終了する2011年7月24日まで残り1年となった今日、当初の目標を上回るペースで普及していると総務省は評価しています。
【地デジ対応受信機の主な購入動機】 (重複回答)
・現在の地上アナログ放送が終わることを見越して ……46.6%
・故障などに伴う、テレビの買い替え時期だったから……39.2%
・薄型テレビが欲しかったから……………………………36.4%
・ハイビジョン放送などを見たかったから…………………33.9%
・エコポイントを利用したかったから………………………15.3%
・データ放送を見たかったから ……………………………9.1%
【地デジ対応受信機を保有していない理由】 (重複回答)
・地上アナログ放送が視聴できなくなるまで時間的余裕がある………71.6%
・経済的に地上デジタル放送に対応する余裕がない…………………36.8%
・テレビをあまり見ていない ……………………………………………12.7%
・アンテナや分配器などが地デジに対応していない …………………11.8%
・インターネットがあれば十分 …………………………………………5.4%
・地デジを見るために何をしたらいいか分からない ……………………5.2%
・居住地域で地デジがまだ開始されていない …………………………4.0%
・集合住宅の共同受信施設が地デジに対応していない………………3.4%
・ビル陰による受信障害や山間部などの難視聴に
共同受信施設が地デジ対応していない ………………………………2.8%
・携帯電話(ワンセグ)などで見られれば十分 …………………………2.5%
・衛星放送(BSやCS)を主に視聴している………………………………2.5%
しかし、世帯普及率83.8%は世帯数に換算すると4190万世帯相当となり、100%(5000万世帯)に到達するには残り810万世帯が行動(地デジの準備)を起こす必要があります。特に「ビル陰問題」と言われる、マンションやビルがテレビの電波を遮ることで難視聴になっている周辺世帯への対応は遅れが目立っており、解決には時間を要することが予想されています。
そこで、ラストスパートをかけたい総務省は7月23日、地デジへの完全移行に向けた行動計画となる「地デジ最終年総合対策」を公表しました。対応が遅れている高齢者や低所得者への支援に始まり、コールセンターや臨時相談センターの拡充・設置、さらに、ビル陰難視への対応加速といった“地デジ難民”撲滅への重点施策をそろって打ち出しました。
実は、この中に「悪質商法対策マニュアルの公表」という項目があり、地デジに関する悪質商法の相談のうち典型的な事例へのアドバイス例を示したマニュアルを作成・公表し、改めて注意喚起を行うことが盛り込まれています。総務省によると、こうした悪質商法はすでに56件確認されており(7月29日現在)、全国の消費生活センターなどには、
「アナログ放送の終了時期を誤認させ工事を勧められた」
「地デジが見られなくなると言ってケーブルテレビへの加入を迫られた」
といった苦情相談が多く寄せられているそうです。被害に遭わないためには、被害の「傾向」と「対策」を頭に入れておくことが必要となります。
では、一体どのような被害相談があったのか、次ページで具体的に見ていくことにしましょう。