モデル退職金という概念はもはやレガシーデバイス?
今回は前後編の記事で、
「モデル退職金」について考えてみます。会社員の皆さんはモデル退職金という言葉を聞いたことがあるでしょうか? モデル退職金という考え方は主に会社と労働組合の間で用いられる言葉です。
簡単にいえば、「モデル退職金」とは、標準的な働き方をした社員は平均的にどれくらいの退職金をもらえるかを定義したものです。「モデル退職金は○○万円」というように示されます。そして、「モデル退職金の水準を上げてほしい」とか「モデル退職金が減ることは認められない」というように議論をするわけです。
個人にとっても、「平均的にはこれくらい退職金がもらえるわけか」という目安になりますので、モデル退職金があると老後の生活の目安が立てやすくなります。モデル退職金はモデル賃金のようなものと合わせて、便利な数字として使われてきました。
ところが、この「モデル退職金」という考え方は
レガシーデバイス化していると筆者は考えています。レガシーデバイスとは、IT業界においてよく用いられる言葉ですが、技術の進展に伴い使われなくなる接続形式などのことをいいます。
たとえば、昔のパソコンにはパラレル、シリアル、PS/2とかいくつもの形式の差し込み口がありましたが、今ではUSBスロットがあればキーボードもマウスも周辺機器は何でもつながるようになりました。ここでは、古くて使われなくなったパラレルポートなどが「レガシーデバイス」ということになります。
「モデル退職金」という考え方はなぜ、レガシーデバイス化しているのか、前半ではその理由を考え、後半ではレガシーデバイスと化した以降、私たちはどう考えていけばいいのかを検討してみたいと思います。
(前編 目次) ・
モデル退職金が無意味化する「制度的」理由 ・
モデル退職金が無意味化する「会社的」理由 ・
モデル退職金がレガシーデバイスと化す時代(後編 目次) ・
モデル退職金はリタイアメントプランに便利だった ・
モデル退職金なき時代のライフプランを考える ・
まとめ)モデル退職金がなくなっても慌てなくていい?→モデル退職金は制度上の理由でレガシー化している!次ページへ