学習・勉強法/全国学力テスト

2010年全国学力テスト徹底分析

悉皆(しっかい)調査から抽出調査へと変更された2010年の全国学力テスト。上位と下位の都道府県が固定化しているという傾向は変わらないまま。今回は、調査に参加していない地域もあるため、受験生が今後の勉強に活かせるように、多くの中学生が苦手と思われる分野を徹底分析しました。

伊藤 敏雄

執筆者:伊藤 敏雄

学習・受験ガイド

2010年の全国学力テスト、今後の勉強に活かすには?

悉皆(しっかい)調査から抽出調査へと変わったことで、調査を受けていない中学生も。テストの結果を今後の勉強に活かすには?

悉皆(しっかい)調査から抽出調査へと変わったことで、調査を受けていない中学生も。テストの結果を今後の勉強に活かすには?

悉皆(しっかい)調査から抽出調査に変更された2010年の全国学力テスト。上位と下位の都道府県が固定化し、順位の変動はそれほどありませんでした。しかし、今回のテストで最も変わった点といえば、調査に参加している生徒とそうでない生徒がいる点でしょう。

調査に参加していない生徒は、結果を受け取ることはありません。調査に参加した生徒も、結果の返却は夏休み以降になります。いずれにしても、調査結果を今後の勉強に活かすことができません。そこでガイドが、受験生が苦手と思われる分野の傾向と対策についてまとめました。

中学国語A問題

■大問4の二
今、私たちは全国大会出場に向けて練習していて、三年生にとって最大の目標です。
を、2つの文に分けて書く。なお、2文めには「目標です」に対応する主語を補いなさい。【正答率43.3%】

主な誤答例は、

1文め:今、私たちは全国大会出場に向けて練習しています。
2文め:三年生にとって最大の目標です。

と、「目標です」に対応する主語(それは)が抜けているケースが挙げられます。中には、2文めを「私は三年生にとって最大の目標です」と、主語と述語が一致していない文を書いているケースも見られました。

決して難しい問題ではありませんが、国立、私立の中学校では、正答率はそれぞれ70%台、60%台、公立の中学校では半数以上の生徒が間違えているなど、全体的に文を書く力が不足していることがわかります。普段から多様な表現の文章に接したり、文を言い換えたり書き換えたりする経験が必要です。

■大問10の一
カタカナを漢字に直す。
1.先生にソウダンする。【正答率76.0%】
2.コウシキを使って面積を求める。【正答率73.6%】

全国的にはいずれも正答率は70%台と、一見まずまずの結果に見えます。しかし、これは裏を返せば、十分に漢字が書けない中学生が4人に1人もいることを示しています。「ソウダン(相談)」「コウシキ(公式)」ともに小学校3年生で習う漢字で、国立、私立の中学校では、いずれも正答率がほぼ90%を超えていることを考えると、この実態をもう少し深刻に考える必要があるのではないでしょうか。中学校で習う漢字以前に、小学校で習った漢字が完璧に書けるようになるまで復習することが大切です。

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