病院/セカンド・オピニオン

セカンド・オピニオンの受け方・探し方

より納得のいく治療を受けるため、主治医以外の医師に意見を聞くことができる「セカンド・オピニオン」という制度があります。遠慮せず上手に活用して、病気の治療や緩和に役立てましょう。

執筆者:竹本 国夫

セカンド・オピニオンの基礎知識

セカンドオピニオン
上手に活用して、納得のいく治療を受けたいですね
少し前から定着してきた「セカンド・オピニオン」。通常の診療と何が違うのでしょうか?

セカンド・オピニオンを一言で言うと、診察結果や治療法について主治医以外の意見をもらう行為のことです。意見をもらうだけですから、そこで実際の治療を受けることはできません。基本的に、治療は元の病院に戻って受けることになります。

セカンド・オピニオンは、複数の治療法があり判断に迷う場合に適しています。例えば、がんと宣告されてしまった場合、手術、放射線治療、化学療法(投薬)などの、様々な治療法が考えられると思います。主治医が手術が望ましいという考えを持っているようだが、自分や家族としては手術以外の方法が気になる……主治医以外の先生の意見も聞いて検討してみたいと思った場合、セカンド・オピニオンを受けることができます。

セカンド・オピニオンは、あくまで相談して意見を求める場ですので、そこで改めて検査をすることはありません。したがって、最初に受診した医療機関での検査結果を持っていく必要があります。たまに何も持たずに行く方がいるようですが、それでは印象論の話しかできませんので、時間とお金の無駄になりかねません。

「主治医に失礼なのではないか……」と心配する患者さんが多いようですが、今の医師は、「セカンド・オピニオンのために、必要な検査データが一式欲しいのですが」と言えば、ちゃんと協力的に対応をしてくれます。レントゲンなどのコピーのために書類を書いたり、コピーに1週間くらい時間がかかる場合がありますので、医師の事務手続きは多少必要になるかもしれませんが、患者さんが納得しないままで治療をすることに比べれば、ずっと前向きなプロセスです。

仮に主治医の診察や方針に疑問を持っていて、主治医のことがどうしても信頼できない場合でも、「自分にとって大事な決断なので、いろいろな意見を聞いてみたい」と伝えるなど、医師を責めない言い方をすれば問題ないでしょう。

万が一、セカンド・オピニオンを受けるといって嫌がる医師や、書類を渋る医師がいたとしたら、自分の診断に自信がない場合も考えられます。その場合は、思い切って病院を変える決断も必要かもしれません。

セカンド・オピニオンの費用

費用は保険診療ではなく、自費扱いとなります。たとえば、病院が設定している治療費が1万円だった場合、通常は保険適用で3割負担ですから3000円の支払いで済みますが、自費負担の場合は1万円全て、自分での支払となります。

費用の設定も病院によってまちまちです。全体傾向として30分1~2万円前後が多いようですが、中には数万円の費用が設定されている病院もあります。

少し高額でもセカンド・オピニオンを受けるメリット

セカンド・オピニオンの最大のメリットは、一人の医師に自分のための十分な時間を取ってもらい、説明がじっくり受けられることだと思います。

通常の診療だと長くても10分ということが多い大学病院でも、30分から1時間、じっくり相談に乗ってもらえます。考え方のロジックについては、通常の短い診療時間ではなかなか聞けませんので、医師に長時間相談に乗ってもらえるのは大変なメリットといえます。

セカンド・オピニオンを実施しているのは、大学病院か、それに準じる専門病院がほとんどです。大学にもよりますが、大学の中でも中堅以上の選ばれた医師のみが対応することが多いのも特徴です。

セカンド・オピニオンが受けられる病院の探し方

なお、セカンド・オピニオンは義務ではなく、患者向けサービスの一環なので、実施している大学でも、すべての診療科が行っているとは限りません。あくまで通常の診療が最優先ですので、対応できる人員が限られている場合には、実施できないことも多いのです。

セカンド・オピニオンは、東京都ですと、東大東京医科歯科大慶応大慈恵医大など10以上の病院が実施しています。

実施している病院の探し方ですが、実施科目が変動していることもあり、なかなかいい方法がありません。現実的には、知り合いの口コミ情報などに頼るのも一つの方法ですが、当てがない場合はインターネットの検索エンジンを使って、「病名 セカンド・オピニオン」などと探すのがいいでしょう。病名には、主治医が診断した病名を入れます。たとえば、「乳がん セカンド・オピニオン」で検索すると、「乳がん情報ネット」の施設一覧が表示されます。

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