住まいの売却活動を始めるのにあたり、売主と不動産業者との間で媒介契約を締結します。この媒介契約には、専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があり、いったいどれを選ぶべきなのか迷うところかもしれません。
今回は媒介契約のそれぞれの特徴と知っておきたいポイントについて、少し詳しくみていくことにしましょう。
売却を依頼した業者が買主をみつけるとは限らない
売りに出された物件の情報をもとに、多くの不動産業者が動き始める
媒介契約の違いを説明する前に、まず
不動産業者の
媒介業務について触れておくことにします。
売主から売却の依頼を受けて媒介契約を締結した不動産業者は、その物件に関する情報をレインズ(REINS)と呼ばれる業者間の物件情報ネットワークシステム(指定流通機構)に登録します。この情報をもとに、あなたが依頼したのとはまったく別の不動産業者も、買主をみつけようと営業活動をすすめることになります。
レインズには、東日本レインズ、中部レインズ、近畿レインズ、西日本レインズの4つがあり、ひとつのシステムで全国一律の情報が提供される仕組みにはなっていませんが、たとえば東日本レインズなら北海道から新潟、長野、山梨、神奈川まで17都道県をカバーしています。
一方、全国には127,702社(※)の不動産業者(個人業者を含む宅地建物取引業者数、平成20年度末時点、
国土交通省資料による)が存在します。このうちどれくらいの割合が、売買物件の媒介業務をしているのかといったデータはありませんが、あなたの住まいが売りに出されれば、数千~数万の業者がその情報を手にすることになるわけです。
※ 都道府県別の業者数の最大は東京都の24,085、最小は鳥取県の338
そのため、A社に売却を依頼(A社と媒介契約を締結)しても、買主を連れてくるのがA社だとは限りません。A社に依頼をしても、あるいはB社に依頼をしても、実際に購入してくれる買主はC社が連れてきた○○さんで結果的には同じだった、ということになるケースも多いでしょう。
その意味で、あなたが売却を依頼する不動産業者は、あなた側の窓口となる立場です。その業者が直接、買主の見込み客を抱えているかどうかという視点よりも、あなたに対して誠実に業務を遂行してくれるかどうかといった視点を重視して選ぶべきです。
また、売却の窓口を多くするべき、業者同士を競わせるべき、といった論調で一般媒介契約(複数の業者と媒介契約を結ぶことができるタイプ)を勧める解説をしている書籍やサイトもありますが、一般媒介契約のときにはレインズへの登録義務がありません。仮に5社との間で一般媒介契約を結び、そのいずれもがレインズに登録をしなければ、あなたの物件に関する情報は5社だけにとどまることとなり、売却成功の機会を失う結果にもなりかねないでしょう。
「一般媒介のほうが多くの見込み客から買主を探せる」というのは部分的な見方でしかありません。もっとも、一般媒介契約でもレインズに登録をする業者は意外と多く、さらに一般媒介契約を受けた業者の広告や一般向けサイトへの情報掲載などによって買主が見つかれば、それで無事に売却を済ませることはできますけどね。
少し説明が長くなってしまいましたが、適正な値付けがされた物件やニーズの多い物件に対しては、あなたが売却を依頼した不動産業者だけではなく、他にも多くの業者が買主をみつけようと活動するのだということを覚えておきましょう。
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