年金/国民年金の仕組み

年金よりも生活保護の方が得って本当なの!?(2ページ目)

「年金より、生活保護の受給額の方が多いって聞きました。だから、国民年金を払うのが馬鹿馬鹿しい」という話を聞くことがあります。確かに生活保護の方が国民年金より支給が多い場合もありますが、生活保護を受けるには、車や生命保険等の資産は換金しなければなりませんし、預貯金があればそれをまず使わなければならない等厳しい条件があります。そう考えると、生活保護を当てにするのはやめておいた方が良さそうです。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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東京都心2人世帯で考える

それでは、実際の生活保護がどれぐらい受けれるのか? をみてみたいと思います。

例えば東京都心の賃貸アパート(家賃5万円)に住む65歳の2人世帯で計算すると、最低生活費生活扶助で月121,600円。これに住宅扶助(実費50000円(上限は69,600円))が加わると、この2つで月17万円程にもなります。
(※ちなみに住宅扶助を受ける場合、上限額より高い物件に住んでいる場合は、転居するよう指導されることもあるようです)

世帯収入がゼロなら、
最低生活費(17万円)-収入(0円)=17万円となり、国民年金額(夫婦2人)66,000円×2=132,000円と比べ、生活保護の方が額が多いことになります。

更に、国民年金については保険料を支払う必要がありますが、生活保護には保険料は必要ありません。「国民年金を払うのは馬鹿馬鹿しい!」という声も、一見するとうなずけるように思えます。

実際の申請には多くの厳しい要件が待ち構えている 

金額だけ見ると、「生活保護の方が得!」となるのですが、そう簡単に生活保護を受けることはできません。

生活保護の申請をすると、収入や扶養義務者からの援助の可否、資産の状況を調査されます。

具体的には以下のことが可能か確認されます。
■働けるかどうか?
働けるなら、まずは働いてもらう

■預貯金があるか?
預貯金があるなら、ますはそれを使ってもらう

■換金できるものはないか?
車や生命保険等は処分してもらう

■親類に生活の援助が可能か?
親類(3親等)からの資金援助が可能なら、資金援助してもらう

これらのことを全て行った上で、それでも足りない場合に、ようやく足りない分を補填されるという流れになります。

将来的に考えても、国家や地方公共団体の財政はどこも「火の車」で、生活保護を受ける要件は、今後厳しくなることはあっても、緩くなることはないと思われます。

そう考えると、「生活保護があるから年金を払わない!」という考えは捨て去る必要がありそうですね。
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