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大学受験の偏差値

一見何を指しているのかわからない偏差値。それがどのようなもので、どのように使ったらいいのか、偏差値に振り回されない賢い利用の仕方を解説する。

吉田 敦彦

執筆者:吉田 敦彦

学習・受験ガイド

偏差値は絶対基準ではない

東京大学
偏差値は単なる数値に過ぎない。志望大学との距離感をつかむ程度で考えておこう

複雑な話を除いて端的に表現すると、偏差値50以下であれば標準以下ということ。例えば平均点が80点のテストで自分の点数が60点であれば、偏差値は50以下がつき、出来が悪かったことがわかる。

一方、平均点35点で自分の点数が60点であれば、偏差値は50以上がつき、よくできたことがわかる。せっかく80点を取ったが、平均点が85点以上あれば偏差値は50以下になってしまう。ただ、よほどのことがない限り20はつかない(また20以下は理論上ありえない)。最高はおおよそ70~75だと考えてもらってかまわない。

受験母体となる集団によってもかなり違った結果が出てくる。現役生のみが受験する場合、偏差値は高くつくことが多い。一方平均得点が高くなる浪人生が含まれる模試であると、偏差値が低く出る場合がある。母体の集団の数が少ないほど偏差値は誤差が大きく、可能であれば大手予備校が全国区で実施するような模試を受けることが望ましい。

模試の受け方としてのアドバイスは、偏差値を上げようなどと思ってはいけないということ。その模試の問題作成者が変わるだけで難易度は変わり、偏差値も変動する。模試はあくまでも自分の弱点を知り、本番に慣れるものと考えてもらいたい。偏差値が60以上で判定がAでも、合格の絶対的な保証にはならない。またランクが低くても合格する学生はいる。偏差値は絶対的な基準ではない。意外と誤差の多い不安定なものと考えた方がいいだろう。

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