厚生年金・共済年金の基礎を学ぼう

更新日:2011年10月22日

給料1円差で、厚生年金保険料に大きな差!?

毎月何となく給料から天引きされている厚生年金の保険料ですが、その保険料の計算には年金ならではの少し特殊な事情があります。同じ年収でも月給制と年俸制で保険料に差が出たり、給料がたった1円違うだけでも大きな差が出たりするのです。


保険料のランクは、毎月4、5、6月の給料で決まる

画像の代替テキスト
厚生年金と同じ天引きされる健康保険の保険料も同じ算出方法で保険料が決まる。ただし、上限は健康保険のほうが高い
先ほどから何度も出てくる「ランク(等級)」ですが、これは毎月変動をするものではなく、原則1年間同じランク(等級)のまま据え置かれます。

この1年間のランクは、毎年4月、5月、6月に受け取る給料の平均で決まります。給料には残業手当や交通費も含まれます。従って、同じ基本給でも4、5、6月に残業が多い人や、交通費の多い人は、給料総額が多くなりますので、それだけランクが高くなります。

ですから、残業時間を年間を通して調整できるような方は、4、5、6月の残業を抑えることで、ランクを抑えることができるということになります。先ほども書きましたが、会社も保険料を負担しているため、会社全体でこの時期の残業を抑えるなんてこともあるようです。会社にとっても個々の従業員の等級があがると、コストも増えるわけです。

同じ年収で保険料に大差が!?

このランク(等級)のもう一つの特徴は、「上限」があることです。厚生年金のランクは30等級(60万5000円以上)より上のランクはありません。従って月給61万の人も、100万円の人も同じランクになり、同じ保険料ということになります。

ボーナスについては、1回のボーナスについて150万円を上限としています。従って、150万円も300万円も同じ保険料ということになります。

ここで、また大きな矛盾が発生してしまいます。

具体例をあげて、検証してみます。

同じ年収900万のAさんとBさんがいるとして、Aさんは年俸制、Bさんは月給+賞与だとします。年俸制のAさんは、900万の12分の1が月給となりますから、月額75万円。一方、月給+賞与のBさんは、毎月の給料が60万円で、夏と冬のボーナスでそれぞれ90万円とします。

負担する保険料額(平成23年9月~24年8月の保険料率で計算)
■Aさん(年俸制)
毎月の保険料5万877円のみ。
(5万877円×12=年間61万524円

■Bさん(月給+賞与)
毎月の保険料4万8,415円、ボーナス時7万3,854円
(4万8,415円×12+7万3,854円×2=年間72万8,688円

AさんとBさんを比べると、同じ年収なのに年間11万8,164円もの差が出てきます。ここまで差が出るとは驚きですね。ある程度の年収(だいたい800万円以上)の方が、この2つをどちらか選択することが可能な状況なら、保険料的には年俸制を選択することが有利だと言えます。

今回の検証は、主に保険料という観点から行っていますが、受け取る観点からは全く逆の発想(等級を上げる。月給制を選択する)となります。「多く払えば、多く受け取れる」この原則も忘れないでください。

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この記事の担当ガイド

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和田 雅彦

年金の専門家である社会保険労務士資格を取得し独立開業。個別相談他、年金問題についての執筆、講演も多数。

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