暮らしの法律/男女・夫婦問題

離婚(親権・慰謝料・養育費)の基本

離婚をするときの流れ、親権、慰謝料、養育費などの基本について紹介します。

酒井 将

執筆者:酒井 将

暮らしの法律ガイド

はじめに

離婚
 
夫ないしは妻と「別れたい。」と考えているあなた。結婚して初めの頃は、人生の伴侶と考えていたはずです。しかし、実際に夫婦として共同生活をしてみると、いろいろな問題がでてくるものです。周囲からみればほんの些細なことでも、感情的にもつれてしまった当事者にとっては、離婚を考える要因となってしまうこともあるでしょう。また、夫婦関係の破たんが決定的となっているにもかかわらず、世間体を気にしたり、経済的な理由から離婚に踏み切れないようなケースもあると思います。

離婚、すなわち長年続いた夫婦関係を解消するとなると、子どものこと、結婚してから夫婦二人で築いた財産のこと、離婚後に住む場所・日々の生活費・姓などの離婚後の生活のこと、あらゆることを考えて、これらをすべて解決していかなければなりません。そうなると、おのずと時間もかかり、精神面でも相当のパワーが必要になります。ですので、離婚するには、まず、あなたの強い覚悟が必要です。また、それだけでは足りず、入念な準備も必要です。これを怠っては、あなたが望むかたちでの離婚は難しいでしょう。

準備としては、例えば、夫ないしは妻の浮気が原因で離婚したいのであれば、その証拠をつかんでおくこと、離婚後の生活費を蓄えておくことなどが必要です。子どもと一時的にでも離れると、後々、一緒に暮らせなくなる可能性が高いので、離婚後も子どもと一緒に暮らしたいのであれば、絶対に子どもとは離れないようにすることをお勧めします。

離婚の流れ

離婚するにあたっては、まず当事者同士で話し合いをします。話し合いで離婚することが決まれば、役所に離婚届を提出します。これを協議離婚といいます。しかし、話し合いで解決しない場合には、家庭裁判所に調停を申立てなければなりません。調停では、通常2名の調停委員が間に入って、夫婦双方の言い分を聞き、解決に導きます。調停の場で、離婚がまとまることを調停離婚といいます。調停でも解決しない場合には、裁判で決着をつけます。これを裁判離婚といいます。協議離婚と調停離婚と裁判離婚の割合は、90対9対1程度だと言われています。

離婚に付随する諸問題

離婚をする際に付随して決定するべき事柄としては、財産分与の問題、慰謝料の問題、子どもの親権と養育費の問題があります。財産分与とは、夫婦で築いた財産をどのようにして分けるかという問題です。慰謝料とは、離婚に際して、一方の配偶者がもう一方の配偶者を精神的肉体的に傷つけた場合に支払うお金のことです。たとえば、不倫をしたり暴力を振るったりして妻を傷つけた夫は、離婚に際して慰謝料を支払わなければなりません。子どもがいる夫婦の場合には、離婚後の子どもの親権をどちらが持つかということを考えなければなりません。また、子どもを引き取らなかった親は、子どもを引き取った親に対して、子どもの養育費を払う必要があります。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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