法律相談関連情報

更新日:2009年04月01日

裁判員制度ってどんなもの?

新たに導入された「裁判員制度」。20歳以上の国民なら誰もが選ばれる可能性があります。どうやって選ばれ、どのようなことをするのか、ご説明します。

裁判員制度とは?

裁判員制度とは?
いよいよはじまる裁判員制度。刑事裁判をもっと国民にわかりやすく迅速にという意図のもとに導入されます。
裁判員制度とは、国民の中から抽選で選ばれた裁判員が刑事裁判に参加し、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決める制度です。国民が刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、裁判に対する国民の信頼の向上につながることを期待して導入された制度です。国民が裁判に参加する制度は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア等でも行なわれています。

ところで、裁判員制度に似た制度として、陪審員制度と参審員制度があります。裁判には、(1)事実認定(有罪か否かを決めること)、(2)法律評価の問題、そして(3)量刑の問題(有罪の場合どのくらいの刑罰に処するか)がありますが、制度によって裁判への関わり方が違います。

陪審制:陪審員だけが(1)事実認定を行い、裁判官が(2)法律評価と(3)量刑を決する

参審制:参審員と裁判官が、(1)事実認定、(2)法律評価、(3)量刑決定の全てを合同で行う

これに対し、日本で採用される裁判員制度は、裁判員と裁判官が一緒に(1)事実認定と(3)量刑決定を行ないますが、(2)法律評価だけは、裁判官が単独で行う制度です。ですから、裁判員は、有罪か無罪かを決定するだけでなく、有罪の場合には、たとえば「懲役○年」という量刑まで決めることになります。

なお、この裁判員制度が適用されるのは、殺人や強盗致死傷、傷害致死、危険運転致死、現住建造物等放火、身代金目的誘拐などの「一定の重大な犯罪」です。

誰が裁判員になるの?

裁判員になるための要件は、日本国民で、年齢満20歳以上の者です。ただし、禁固以上の前科がある人、国会議員や司法関係者(裁判官、検察官、弁護士)、裁判所の職員、あるいは事件関係者などは、裁判員に選ばれません。

裁判員の選び方は、まず、選挙権のある人の中から、翌年の裁判員候補者となる人を毎年抽選で選び、裁判所ごとに裁判員候補者名簿が作られます。裁判員候補者名簿に記載されたことは本人に通知され、この段階で、法律上裁判員になれない人や、客観的な辞退事由があって辞退を希望している人などは除外されます。

次に、事件ごとに、裁判員候補者名簿の中から、更に抽選でその事件の裁判員候補者が選ばれます。選ばれた候補者には呼出状が送られますが、この段階でも、辞退事由の有無や辞退希望の理由によっては、辞退が認められます。その後、検察官や弁護人の意見を取り入れたうえで、最終的に、事件ごとに6人の裁判員が決定されます。国民が裁判員になる可能性は(地域差もありますが)、5000人に1人程度だと試算されているそうです。あなたもしくは、あなたの身近な人が、もうすぐ裁判員になるかもしれませんね。

どういう場合に裁判員は辞退できるの?

どういう場合に裁判員は辞退できるの?
仕事が忙しいから裁判員になるのは勘弁してほしいという気持ちはわかりますが、原則として辞退することはできません。
裁判員制度は、広く国民に参加してもらうことを予定している制度なので、原則として辞退することはできません。しかし、70歳以上の方や、重い病気を患っているような場合、同居の親族の介護などが必要な場合、裁判所が遠方で通うことが困難である場合、妊娠中または出産直後の場合、あるいは学生・生徒などは、辞退することができる場合があります。

では、「仕事が忙しい!」などの理由で裁判員を辞退できるのでしょうか。法律では、「とても重要な仕事があり、あなた自身が処理しなければ、著しい損害が生じると裁判所が認めた」場合にのみ、辞退が認められることになっています。しかし、これは非常に厳しい要件ですから、一般論としていえば、「仕事が忙しい」というだけでは辞退はできないと考えたほうがいいでしょう。

なお、従業員が裁判員になって仕事を休んだからといって、会社を辞めさせるなどの不利益な扱いをすることは禁止されていますから、心配する必要はありません。

裁判員になったらどんなことをするの?

まず、裁判員は裁判官と一緒に、刑事裁判の法廷(公判といいます)に立ち会います。公判では、主に、証人や被告人に対する質問が行われます。裁判員から、証人等に質問することもできます。このほか、証拠として提出された物や書類も取り調べます。 証拠を全て調べた後、被告人が有罪か無罪か、有罪だとしたらどんな量刑にするべきかを、裁判官と一緒に議論し(評議)、決定(評決)します。 議論をつくしても、全員の意見が一致しない場合、評決は、多数決によって行なわれます。

この場合、被告人が有罪か無罪か、有罪の場合にどんな量刑にするべきかについての裁判員の意見は、裁判官と同じ重みを持ちます。ただし、裁判員だけによる意見では、被告人に不利な判断(被告人が有罪か無罪かの評決の場面では有罪の判断)をすることはできず、裁判官1人以上が多数意見に賛成していることが必要です

例えば、被告人が犯人かどうかについて、裁判員5人が「犯人である」という意見を述べたのに対し、裁判員1人と裁判官3人が「犯人ではない」という意見を述べた場合には、「犯人である」が多数意見ですが、この意見には裁判官が1人も賛成していませんので、「裁判官1人以上が多数意見に賛成していることが必要」という要件を満たしていません。したがって、この場合は、被告人が「犯人である」とはできず、無罪になります。

以上の過程を経て、評決内容が決まると、法廷で裁判長が判決を宣告し、裁判員としての仕事は終了します。
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酒井 将

弁護士事務所 ベリーベストのパートナー弁護士。日本初の弁護士サービスの見積比較サイト「弁護士ドットコ…

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