やっぱり転勤・Nさんのお話
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| 自然豊かな場所でのくらしは魅力的 |
Nさんのお話をしましょう。Nさんは、そろそろ30代半ばの会社員です。家族は妻と幼稚園に通う子どもが1人。もともと、北陸地方の広々とした一戸建てで生まれ育ったため、都心の狭い社宅暮らしには常日頃からウンザリ、たまたま気が向いて見学に行った郊外のモデルハウスが気に入って自宅を購入したとか。購入を決意するにあたって、「通勤時間が大幅に増えること」「転勤の可能性」が気にはなったものの、何より自然豊かな環境が気に入り、「家族でノンビリ暮らせる」と購入に踏み切ったということです。
案の定、ほどなくしてNさんは地方へ転勤になりました。そこで、家は賃貸に出すことに。「こんなお金をかけて建てたんだ。多少不便な場所だけど誰か借りてくれるだろう」と安心しきっていたNさんですが、フタを開けてみたら借り手がなかなかつかない……。
何が失敗だったのか
実を言うと、最近、通勤がNさんの負担になっていました。毎朝、満員電車に揺られてたっぷり2時間、始発駅でもないので下手をすると立ちっぱなしです。夜になると電車の本数も減ってしまうから、帰りは2時間以上かかることも。Nさんは、「地方へ引越し」を考えたとき、「通勤の苦しみから解放される!」と思わず喜んでしまったそうです。
ほどなくして、Nさんは気付きました。自分の家だからこそ、通勤の不便もガマンできるのだと(仕方なくガマンしているともいえるケド)。でも、他人だったらどうだろう?わざわざ賃料を払って通勤の不便をガマンする人なんてそうそういないんじゃないか……。
転勤の可能性がありながら、自宅を購入することは、決して無謀でも、悪い選択肢でもありません。転勤の可能性を抱えながら家を買うのであれば、転勤したときに自宅をどうするかまできちんと考えておけばいいのです。肝心なのは、何かが起こったときに、柔軟に対応できるようにしておくことです。
「転勤したら自宅を人に貸すかもしれない」のだったら、「貸しやすい家」を選んだほうがいい。中には、「貸さずに売ってしまおう」と考える人もいるかもしれません。そうであれば、「売りやすい家」ということを考慮しながら選べばいいのです。
不動産にだって流動性は欲しい
「貸しやすい家」「売りやすい家」とはどのような家でしょうか? 簡単にいうと、「貸しやすい家」「売りやすい家」というのは、多くの人に支持される家です。つまり、皆が「いいな~」と思う家。需要が多くあるからこそ、強気の賃料設定、売り出し価格の設定が可能なのです。そうでなければ、低めの賃料設定、売り出し価格に甘んじなくてはならないでしょう。
一般に、立地条件があまりに悪い家は、人気がありません。特にポイントになるものは、最寄り駅からの距離。マンションでも戸建てでも、徒歩圏が断然有利です。電車でひとつふたつ先まで乗っても、駅から歩けた方がいいという考えもあります。急行が止まる駅かどうかなどもポイントに。ファミリー向けであれば、学校や公園、スーパーなど、周辺の環境に対しても関心が高いといえるでしょう。
個性が強すぎるものに関しては、敬遠される傾向にあります。いくらお金をかけたとしても、広すぎる1LDKや2LDKよりは、一般的な間取りの方が「借りたい」と思う人は多いし、派手な内装の家を「おもしろい」とは思っても、「借りたい」「買いたい」と手を挙げる人は少ないでしょう。
まだライフプランの定まりきっていない人は、今の生活だけを重視することなく、将来の見通しをつけながら、購入する家を選ぶことが大切です。ポイントは、今後の多様性に備えるべく流動性に十分に配慮すること。不動産にだって流動性は欲しいものです。
Nさんのその後ですが、一家で地方へ移り住んでから半年たって、ようやく自宅の借り手を見つけることができました。なぜ、借り手がついたかって? それは「賃料を下げたから」。現在は、賃料収入だけでは住宅ローンの返済がキビシイ状況が続いています。それはそれで大変なのですが、自宅へ戻ったとしても、また通勤地獄が待っているかと思うとそれも憂鬱だとか。Nさんが自宅を手放す日は遠くないかもしれません。
【関連リンク】
自宅を投資物件に!第1話(購入編)(All About 不動産投資・REIT入門)
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