通夜・葬式の弔問マナー/通夜・葬式の弔問マナー

喪服の基礎知識、小物マナー

突然の通夜・葬儀にも対応できる喪服の基礎知識をご紹介します。アクセサリーや小物についての疑問も解決します!

吉川 美津子

執筆者:吉川 美津子

葬儀・葬式・お墓ガイド

喪服の基本マナー

女性の場合は歩き方にも注意。ヒールの音は案外響きます。
女性の場合、歩き方にも注意。「コツコツ」というヒールの音は案外会場内で響くものです
戦前は日本でも欧米諸国でも、喪服は「喪に服する」遺族だけが着用していたもの。ところが、戦後に葬儀が社会的な儀礼として位置づけられるようになったり、冠婚葬祭マナーに関するノウハウが急速に普及したことから「参列者も黒を着用すべき」という意識が広まりました。

黒い腕章をつけるのは、喪に服している喪主・遺族・親戚・世話役など遺族側の立場にいる人だけになります。弔問客として参列する場合には付けませんのでご注意を。
   

遺族の服装

本来、遺族であっても喪服は葬儀・告別式の場だけ着用し、通夜には略喪服を着用するとされていました。しかし近年は通夜の方に参列する人が多くなり、喪服を着用するのが一般的になったため、遺族も通夜・葬儀とも喪服を着用する人がほとんどです。

なお、現在では喪服といえば黒をイメージしますが、日本の長い歴史の中では白い喪服が主流でした。今でもその名残で、遺族は白の喪服を着用する習慣を守っている地域があります。

【男性】
  • 洋装の場合……黒のフォーマルスーツ着用でワイシャツは白。ネクタイは黒無地でタイピンはつけません。ベルト、靴下、靴などの小物類も黒にします。通夜は喪服を着用せずに紺やグレーのスーツでもかまいません。葬儀・告別式の正装はモーニングコートになります(通夜は夜なので着用不可)が、黒のフォーマルスーツ着用が一般的です。
  • 和装の場合……羽二重などの黒無地染め抜き5つ紋付の着物と羽織、仙台平の袴、帯は角帯を着用します。
【女性】
  • 洋装の場合……黒のフォーマルスーツ(ワンピース)着用。夏は肌の露出をできるだけ控えめになるように心がけます。服の素材はもちろん、バッグや靴も光沢がない黒に統一します。アクセサリーは結婚指輪以外ははずしますが、つけたい場合は真珠の一連のネックレス程度に。
  • 和装の場合……生地は冬は羽二重か一越ちりめん、夏は平絽(ひらろ)か紗(しゃ)になります。通夜の場合、寒色系の色無地に喪帯を着用しても可。
 

参列時の服装

現在は参列者も喪服を着ることが一般的になりましたが、過去の長い歴史をたどってみれば喪服を着るのは遺族や近親者のみ。そのため今でも遺族以外は地味な服装であればかまわないという人も多いです。また、通夜の場合は不幸を予測していた印象を与えないために平服で伺うべきという人もいます。

【男性】
  • 洋装の場合……黒のフォーマルスーツに黒ネクタイ、もしくはダークスーツに黒ネクタイを着用します。
【女性】
  • 洋装の場合……黒のフォーマルスーツ(ワンピース)、もしくは地味な色のスーツやワンピースを着用。バッグ・靴は光沢のない黒に統一します。アクセサリー類は結婚指輪以外ははずしますが、つけたい場合は真珠の一連のネックレス程度にします。ストッキングも黒着用が一般的ですが、通夜時は「突然のことで、とりあえず駆けつけてきました!」という意味合いをもたせるために、あえて「肌色にする方が良い」いう人もいます。
  • 和装の場合……寒色系の色無地に喪帯を着用します。羽織は一つ紋付の黒を選びましょう。
 

喪服・小物で気をつけること

  • バッグや靴は控えめに
    ……エナメル素材や派手な金具が目立つものは×。女性はパンプスの音が響かないように気を配ります。
  • 真夏や真冬の服装の注意点
    ……毛皮のコートは「殺生」をイメージさせるという意味で、色が黒であっても身につけない方が良いとされています。革の靴やバッグはフォーマルシーンで使用されるアイテムなので大丈夫ですが、爬虫類系などは避けます。真夏の場合、女性なら無理にジャケットを羽織る必要はありませんが、ノースリーブや袖が極端に短いもの、胸元が大きくあいたものはNGです。真冬は薄手の黒ストッキングにこだわらなくても大丈夫。少し厚めのストッキングなどで寒さ対策も万全に。
  • 髪の毛は整える
    ……髪の毛は整えます。女性の場合、「長い場合は結んた方が良い」「顔にかからない方が良い」という人もいますが、整えられていればそこまで気にする必要はないしょう。
  • ネイルはどうする?
    ……派手なマニキュアは落とします。簡単に落とせない派手なネイルをしている場合、黒っぽいレースの手袋などで隠すのもひとつの方法です。
  • 服はきちんと着用する
    ……ジャケットのボタンは閉める、靴は磨いておく、自分に合ったサイズを着用する、など服は着崩さないで着用すること。アイロン掛けも忘れずに。

黒っぽい服を持っていない場合は、手持ちの服で間に合わせてもかまいませんが、遺族や親戚に対して思いやりや弔意を服装で表すことができるよう心掛けます。お洒落や自己主張は必要ありません。お悔やみシーンでは、なぜ普段と違う服装をして訪問をするのかその意味を理解し、先方に対してして失礼のない服装をしたいものです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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