借金の返済・債務整理/自己破産についての正しい知識

借金しても自覚なし、「ギャンブル依存症」に注意(2ページ目)

ギャンブル依存症は病気の一つ。「勝ち」を求めて借金を膨らますのは、すでに治療が必要な状態です。ギャンブルの負けを取り返す、それは無謀な考え方。それに気がつかない人、あなたの周りにもいませんか?

横山 光昭

執筆者:横山 光昭

お金を貯める体質改善ノートガイド

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エスカレートすると「ギャンブル=借金」に

勝つまで、負けを取り戻すまで……悪循環です

勝つまで、負けを取り戻すまで……悪循環です

少し古いデータですが、2009年の厚生労働省の統計によると日本人は男性の9.6%、女性の1.6%、全体の平均では5.6%がギャンブル依存症なのだそうです。アメリカでは1%にもなりませんし、ギャンブル人口の多そうなマカオでさえ2%になりません。日本人はギャンブル依存症の率の高い国といえそうです。

ギャ ンブル依存症の人が借金問題を抱える率は非常に高く、むしろ借金問題を抱えていないギャンブル依存症患者はいないといわれます。そのくらいギャンブル依存症と借金問題は密接であるのですが、病気であるという認識が薄いこともあり、正しい対処がなされないことが多いようです。

一番良くない、悪循環を引き起こすのが「肩代わり」をしてしまうこと。借金で苦しむことなく返済が終わってしまうと、またすぐ借り入れをしてギャンブルにつぎ込む、ということになりかねません。

そうしてたどり着くところが債務整理です。

ギャンブルと債務整理

債務整理には様々な方法があり、収入や暮らしぶり、いくらずつ返済していけるかなどによりその整理方法を決めていきます。

もし、今後返済が難しいのであれば「自己破産」を選択せざるを得ないでしょう。この方法は借金の整理法として代名詞的なイメージのもので、借りているお金に「免責」を受け、返さなくてもよいとする借金整理方法です。

以前はまだギャンブル依存症が病気に類するという意識が薄く、「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」とする破産法の中の免責不許可事由にあたると考えられるケースも多く見受けられました。

ですが、近年ではギャンブル依存症は精神疾患であるという認識が広まってきたため、免責が認められる方向に転じてきている傾向もあります。債務整理をすると、一定期間、借金をすることができなくなります。一般的な貸金業者のほかに、闇金など違法業者に手を出すかどうかという心配も出てきますが、お金を借りられなくなったことで強制的にギャンブルと手を切らせるようにしていくことも一つの手段でしょう。

ギャンブル依存症は早期発見し、悪化しないように

現在、ギャンブルを楽しみとしてやっている人は、決して「儲けるもの」と捉えず、レクリエーションなどの一環としてとらえるようにしてください。かけるお金も、 娯楽費として払ってもよい金額にとどめるようにします。そして、ストレス発散方法をギャンブルの他にも見つけましょう。

ギャンブルが頭から離れなくなったら「依存症かも?」と疑って、他者に相談したり、病院などしかるべき専門家に相談したりしてもよいと思います。

よく、ギャンブル依存症は完治しないといわれます。単にギャンブルを止めただけでは根源が取り除きにくく、時間が経つと再発してしまう厄介な一面もあるからです。「完治はされない。いかに自分をコントロールして気持ちを抑えていくのかが治療法だ」と専門医はいっているのです。

ギャンブルでは、「悔しさ」が次にまたやる気持ちをかき立てます。しかし、普通の努力で成果が出る甘いものでもありません。心底、ちょっと楽しむだけでお金を捨ててもよいと思えるなら別ですが、そうでない人はやるべきではありません。もっと別の身のあるものに、お金も時間も有効的に使いましょう。ギャンブルなどで人生をつまらないものにしないでくださいね。

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