文章:陣内 恭子(All About「保険」旧ガイド)
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| 生命保険会社の決算情報だけでは、会社の健全性は分析できません |
保険評論家の大地一成氏から寄稿頂きました決算分析を少し編集しています。
株価上昇で表面上は一見好調! しかし…
大手生保の決算が発表された平成16年5月28日の翌日、新聞紙面に書かれていた見出しです。
| 「生保、株含み益5兆円ー財務の健全性高まる」 | (日本経済新聞) |
| 「株価上昇追い風にー本業は収益力低下」 | (読売新聞) |
| 「医療、介護分野を強化ー契約減、依然止まらず」 | (朝日新聞) |
| 「体力、戦略で二極化ー潮目の変化感じる」 | (毎日新聞) |
それぞれに「株価上昇が効を奏した」という評価をしていますが、
見出しで、今回の決算をいい当てているのは「読売新聞」でした。
確かに、株価が、15年3月末の7972円から16年3月末には1万1715円と約47%も上昇した結果、
「ソルベンシーマージン比率」や「諸準備金の積立」等、それぞれの生命保険会社の体質強化に繋がったことは間違いありません。
しかし
「収益力の低下」にはかなり危機感があります。
日経新聞の「株含み益5兆円」という見出しは、余りにも楽天的な表現。
たまたま大幅上昇した結果、5兆円の株式含み益を得たに過ぎず、これで「財務の健全性高まる」と断定するのはやや早計です。
平成14年度末には大手生保6社(明治・安田を1社として計算)の内「株式含み益」を計上していたのは日本生命(6690億円)だけで、他は「含み損」だったことを考えると、一時的な株価の変動による評価は的を射たものとは言い難いところがあります。
朝日新聞の「医療、介護分野を強化」とい見出しは、大手生保の現状を把握し切れていない取材力の弱さが明らか。
これは文面を読めば一目瞭然ですが、各社のコメントをつなげて書いたに過ぎない感があります。
毎日新聞は、サブタイトルの「潮目の変化を感じる」と第一生命常務のコメントをそのまま使ったのですが、文中の分析とは相反しています。
「体力、戦略で二極化」というのは、焦点がぼけた見出しです。もっと適切なタイトルが必要だったでしょう。
いずれにしても株価の上昇で「ソルベンシーマージン比率や諸準備金の積立額」が好転したことは事実ですが、やはり
問題となるのは本業の保険契約の問題です。