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個人年金保険に加入したいのですが・・・

企業の業績悪化、給与削減、そんな不況の中、老後の公的年金に不安を感じ個人年金保険の加入を検討している方からのご相談を受ける機会が増えてきました。そこで、個人年金保険について考えてみましょう。

長島 良介

執筆者:長島 良介

生命保険ガイド

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企業の業績悪化、給与削減、そんな不況の中、老後の公的年金に不安を感じ個人年金保険の加入を検討している方からのご相談を受ける機会が増えてきました。そこで、個人年金保険について考えてみましょう。



老後の少しでもお金を残したいけど

個人年金保険への加入を考えている方のほとんどが、こつこつと自分の力でためることに不安がある方が多いです。個人年金保険は名称こそ保険と付いていますが、保険としての役割はほとんどありません。こつこつ積み立てて、満期が来ると年金という形で契約時に決めた支給年数(5年、10年、終身など)で受け取るだけです。

貯められない人には好都合な個人年金保険

個人年金保険は保険商品なので他の保険と同様に、銀行からの自動引き落としです。貯金の鉄則である「貯める分はお給料から使う前に先に抜く」という行動が、自動的に行われます。
気がつくとお給料から毎月一定額が引き落とされて、強制的にお金を貯めるには好都合なのです。貯められればいいのですが、貯められない人にはメリットといえます。

2種類の個人年金保険

個人年金保険には2つの種類があります。一つは、契約時に受け取る年金が決まっていて、どんなに不況になってもその金額が約束されている「定額」タイプ。もう一つは受け取る年金が運用によって変わってくる「変額」タイプです。それぞれについてご案内しましょう。

定額タイプの個人年金保険

「定額」タイプは、保険に加入(契約)する時に受け取る年金、途中で解約したらいくらといった金額が決まっています。加入時の経済状況、金利の動向などが今後も変わらない、もしくはデフレが進んで現金の価値が上がると考える人にあっています。

資産運用しないと損、分散長期投資で安定的なリターン(運用による収益)を確保しよう、リスクを取らない運用をしない人はそれ自体がリスクだ(結局インフレになると信じている人は、そんな風に考えます、当たり前ですね)と言われていました。いや現在も多くのFP(ファイナンシャルプランナー)がそう話しています。

しかし、ここ半年の世界同時不況においてはその理屈はどこかに吹っ飛んでしまいました。
もちろん長期的で考えた場合、また株価が再び上昇する可能性は十分にあると思いますが、あくまで可能性、現在の状況を考えると不安が、という人が多いのも無理はありません。
(私はファイナンシャルプランナーですが経済ジャーナリストの先生でも預言者でもないので、インフレになるとか、デフレになるとか、そんな話はするつもりはありません、信じていい
のは客観的な事実と皆さんそれぞれのご自分の予測だけです)

定額タイプの個人年金保険は、運用による増減は全て保険会社が背負ってくれます。

このまま、株価や物価が横ばいもしくは、下がっていくような状況では「定額タイプ」は加入者にとって大きなメリットをもたらす商品と言えます。反対に販売している保険会社にとっては大きなリスクを背負うことになります。

日本人は運用によるリスクを取りたがらないということで、銀行窓口でも「変額個人年金―元本保証型」なるものが販売され、これまでかなりの売り上げをあげていましたが、こちらも積み立てた分が運用によって減ることがないので、ある意味「定額」ということになります。本来加入者が背負うべき資産減少のリスクを保険会社が背負ってくれているので、保険会社がこれはたまらないということで昨今販売中止にしているところも多いようです。

変額タイプの個人年金保険

「投資型年金」という名前の方が一般的でしょうか。銀行がこぞって販売し、相続財産や、退職金などを投資型年金で保有している人が多いと思います。
この年金保険は、基本的にまとまったお金を預けておくことを目的とします。ですから、いまからコツコツと貯めていこうという人には合わない商品です。

今回は今からコツコツためていこうといする方のための記事なので説明は省きます。

個人年金保険と同じように使える保険

個人年金保険に加入する目的を整理してみましょう。
1.毎月一定額を老後の生活資金等のために貯蓄したい。
2.将来の年金が不安なので、自分で貯蓄しなければいけない
3.強制的に貯蓄ができる。
4.預金に比べ解約しにくい。(個人差はありますが・・)

結局のところ「定年後の生活資金を貯める」「途中で使わない」という目的を達成する必要があります。

これら4つの目的を個人年金と同じようにかなえてくれるの保険が終身保険です。

終身保険の貯蓄性についてはこのサイトで何度かご案内してきましたが、終身保険の中でも払込期間中の解約返戻金を低く抑えたタイプ(要するに保険料が払い終わるまでは解約すると元本割れしてしまうということです)であれば、保険料を払い終わった後、解約すると、何年も支払ってきた保険料の合計を上回る解約返戻金を受け取ることができます。

「低解約返戻金型終身保険」といった名称で呼ばれる保険です。

もちろん、払込満了後に、個人年金保険と同様に解約して、年金の代わりに解約返戻金を受け取ります。名前が「年金」か「解約返戻金」で違うだけです。

繰り返しになりますが、保険料を全て払い込む前に解約してしまうと個人年金に比べ損をします。この点を除けば、考えることは同じ。同じ金額を支払ったとき、どちらが多く戻ってくるか。それだけです。

個人年金を検討中の方は、必ず併せて検討してみてください。
(※よく終身保険ということで、入院等の特約をセットで提案される場合がありますが、あくまで特約は「無」です。特約の保険料は間違いなく解約返戻金を減らしますので、貯蓄が目的なら絶対にはずして設計してもらってください)

個人年金保険を検討中の方へ

個人年金保険は結局のところ、毎月積み立てていった保険料を満期後に何年かで分割で受け取るだけです。商品性の良し悪しは、どれだけ戻ってくるかだけ。今のところ、こうした貯蓄を目的として利用できる保険は個人年金保険、終身保険の他にもいくつかありますが、おそらくご紹介した終身保険が最も戻りが大きくなるでしょう。(付け加えますが、終身保険といえども解約して現金を受け取れば保険金を受け取ることができなくなりますから忘れないでください)

もし、個人年金保険の設計を誰かに依頼するのであれば
「保険会社がつぶれない限り、確実に一番戻ってくる保険は他にありますか?」
ときいて、キョトンとしているようであれば
「低解約終身保険も個人年金と同じ掛け金で設計してください」
と依頼してみると良いでしょう。(会社によっては扱っていない場合もあります)

もっとも、上記の質問に答えられない営業マンや専門家であれば、そもそもその人からは入らないほうが自己防衛につながるような気がしますが・・・・
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