文章:天野 隆(All About「相続・相続税」旧ガイド)
1. 敬老の日とは国民が老人を尊敬して、いたわる日であります。相続税も対象は亡くなる人だけに、いたわる気持ちはあるようです。そこで今回は人情が通じる相続税の一端を紹介します。
2.
香典は収入といえば収入です。金銭でもらったわけです。通常で言えば税金がかかる事になります。お亡くなりになった方にお世話になった方が持ってきてくれるわけです。ところが、良く考えてみますともらう香典は払った香典の金額と比例しています。払った時に税金の計算で特典があったわけではありません。そこで、御不幸の時の香典にまで税金をかけるのは如何なものかという事になり、香典には税金はかからない事になっています。
3. 次に
葬儀費用です。相続税は亡くなった時点の財産に税金をかけようとするものです。相続時の資産から借金を引いたものを財産とみなし、それに税金をかけます。原則からいうと葬儀費用は亡くなった後にかかる費用ですから、借金とならず引く事は出来ない筈です。しかし血も涙もある相続税としては、葬儀費用も他の借金と同様に
差し引いていいという事になっています。
4. 次に、夫婦の財産は別々に考えるのが相続税の考え方です。御主人が亡くなられてその配偶者の方が夫から相続しても相続税の対象となるのが原則です。ところが一緒に協力して財産を残したわけですから、単純に配偶者に課税というのでは、可哀相であると考えたわけです。そこで
配偶者の税額の軽減という制度を設けて配偶者が相続財産の半分まで取得する分には相続税をかけないとしたわけです。
5. お孫さんにお小遣いを上げる時にもいたわる運用があるようです。お孫さんが小学校に入ります。中学校に入ります。高校・大学に入ります。成人式のお祝いを上げます。七五三のお祝いを上げます。多くの機会にお孫さんへのお祝いで、おじいちゃん、おばあちゃんがプレゼントをする事が多いようです。本来からすると、これも贈与であり、もらったお孫さんに贈与税がかかる事になります。ところが金額が少ないせいもあるのでしょうが、このようなお小遣いやお祝いに
贈与税を課税したという実務は少ないようです。これもいたわる気持ちの表われのような気がします。
6. 以上「相続税は、血も涙もある人情が通じる税法である。」といった点を紹介しました。「けいろう」(敬老)の日の特集記事に、どんな「けえろ」(経路)でこの記事をご覧になったか分かりませんが、すぐに「けえろう」(帰ろう)と言わずに「けいろ」(毛色)の変わった記事を読んでいただきありがとうございました。