文章:天野 隆(All About「相続・相続税」旧ガイド)
今まで3回
2003年税制改正の中の相続税に関係する点をお話して参りました。今回は一応この解説シリーズの最後ということで、見落としてしまいそうな、でも見落としてはいけない実例の多い改正点を2つお話していこうと思います。
【相続税の二割加算制度について、加算の対象となる者に被相続人の養子になった当該被相続人の孫(代襲相続人であるものは除く)を追加する。(2003年税制改正大綱より)】
上記が1つめの見落としては行けない改正点です。
質問1.二割加算制度というのはどんな制度ですか?答え1.相続人以外の方が遺産を相続する場合、相続税が1.2倍になる、つまり二割増しになる制度を言います。
質問2.今回どう改正されたのでしょうか?答え2.今までは本家を継ぐ被相続人の孫が、被相続人と養子縁組をしておくと、相続税が二割増しにならずにすんでいました。これは、節税対策として孫の養子縁組をしていたケースが多いものですから問題とされていました。
それが、今回の改正で養子縁組をした孫は、二割加算の対象になり、厳しくなったわけです。
ただし、孫が代襲相続人の場合は今までとおり、法定相続人となり、二割加算の対象にはなりません。
質問3.その代襲相続人というのは何ですか?答え3.被相続人の子供が亡くなられている場合、子供の子供、つまり孫が法定相続人となることを言います。孫にしてみれば親に変わって相続する立ち場です。その場合は従来通り二割加算しなくていいわけです。
質問4.今後、孫の養子縁組をするのは不利になるということですか?答え4.いいえ、そんなことはありません。有利な場合が多いと思われます。
相続人が増えるということは、基礎控除の枠が増えるということです。さらに、法定相続人が増えるので1人1人の相続する財産が少なくなります。これが税率に響き、当然税額が少なくなりますね。
ただ、孫の相続税が二割増えるので、今までより少しは相続税が高くなることは事実ですが有利なことは変わらないでしょう。
最後に養子縁組は、あくまで税金以外の理由、すなわち「墓守りのために直接孫にあげたい」という理由から実行する方が多いということは付け加えさせていただきます。