文章:天野 隆(All About「相続・相続税」旧ガイド)
受益証券発行信託に対する課税
2007年与党税制改正大綱のP12には次のような記載があります。
「受益証券発行信託
(1)特定受益証券発行信託(受益証券発行信託のうち次の要件を満たすものをいう。)の信託財産に帰せられる収入及び支出については、受託者段階で課税せず、受益者が受ける収益の分配について所得税又は法人税を課税する。
イ.受託者が税務署長の承認を受けた法人であること
ロ.信託に係る未分配利益の額が信託の元本総額の1,000分の25相当額以下であること 等
(2)個人受益者が受ける収益の分配は配当所得として、その受益証券の譲渡による所得は株式等に係る譲渡所得等として、所得税を課税する。
(3)特定受益証券発行信託以外の受益証券発行信託については、その受託者に対し、信託財産から生ずる所得について、当該受託者の固有財産から生ずる所得とは区別して法人税を課税する。
(4)受益証券発行信託の受益証券を印紙税の課税対象に加える。」
これが原則の考え方です。受益者に対する課税です。ただし一定の場合の制限がついています。
受益者等の存在しない信託に対する課税
「受益者等の存在しない信託
(1)受益者等の存在しない信託については、その受託者に対し、信託財産から生ずる所得について、当該受託者の固有財産から生ずる所得とは区別して法人税を課税する。
(2)受益者等の存在しない信託を設定した場合には、委託者においてはみなし譲渡課税又は寄附金課税を、受託者においてはその信託財産の価額に相当する金額について受贈益課税を行う。
(3)受益者等の存在しない信託に受益者等が存することとなった場合に限り、当該受益者等の受益権の取得による受贈益について、所得税又は法人税を課税しない。
(4)受益者等の存在しない信託を利用した相続税・贈与税の租税回避に対しては、適正化措置を講ずる。」
これが、受益者等が存在しない目的信託です。その場合は受益者に課税できないため、受託者に課税します。