住宅ローンの借入

どう読む?住宅ローンの金利の行方

当面金利は上昇しないだろう、と考えている人が多い昨今。今後の住宅ローン金利の予想はどのような点に着目していけば良いでしょうか?これから借入する人のみならず、変動金利型で借入れをしている人は、借入期間中はずっとウォッチしていくことも大切です。

高田 晶子

執筆者:高田 晶子

住宅ローンガイド

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みんなはどう思っている?今後の金利予想

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今後の金利を予測するには、日本や世界の経済状況を把握しておくことも大切

長期に続くデフレ、景気低迷の中起きた東日本大震災で、日本経済の復興にもいましばらく時間がかかりそうな気配です。このような状況下で、住宅ローンの金利は今後どのように動くのでしょうか?

住宅ローンの金利の行方を考えたところで、まさに何が起きるかわからない時代においては、当たるかどうかは全くわかりません。その一方で、住宅ローンの金利タイプを何にするかを決めるのには、金利の今後の行方を考えてみることも大切。そして、これから借入れする人のみならず、変動金利型で借入れをしている人は、借入れ後も金利の行方を見て行くことが必要です。

では、住宅ローンを借入れした人は、今後の金利をどう考えているのでしょうか?

住宅金融支援機構が行っている「平成23年度民間住宅ローン利用者の実態調査【民間住宅ローン利用者編】(第1回)」によれば、今後1年間の住宅ローン金利見通しは「現状よりも上昇する」が23.6%、「ほとんど変わらない」が61.7%、「現状よりも低下する」が6.3%、「見当がつかない」が8.4%という結果でした。現状のままか上昇すると考えている人が多いようですね。

これを借入れした住宅ローンの金利タイプ別に見てみると、

●全期間固定を借入れした人は
「現状よりも上昇する」39.8%、「ほとんど変わらない」40.3%
●変動金利型を借入れした人は
「現状よりも上昇する」14.2%、「ほとんど変わらない」74.7%

となっています。全期間固定を選んだ人は、「現状よりも上昇する」と考えている人が、「ほとんど変わらない」という人とほぼ同じです。変動金利型を借入れした人は「現状よりも上昇する」と考える人が少ないようです。今後の金利の動向をどう予想するかによって、選ぶ金利タイプの傾向も異なっていることがわかります。

金利が動く要因は?(基本編)

まず、金利はどのようなときにどのように動くのかの基本を知っておきましょう。金利は景気や物価、為替相場や海外金利と密接な関係があります。

・国内景気が好転すると金利は上昇、悪化すると下降
・物価が高騰すると金利は上昇、沈静すると下降
・円安になると金利は上昇、円高になると下降
・海外金利が上昇すると金利は上昇、低下すると下降

基本的には上記のような動きをするはずです。しかし、それぞれが独立して動くよりも、さまざまな状況がおき、複合的な要因で動いていることがほとんどです。大きな流れとして基本を押えておきつつ、常にウォッチしていることも大切です。

住宅ローン金利も世の中の金利に影響を受けるわけですが、変動金利型の金利と長期固定の金利では決まり方が違うことも知っておきましょう。

【参考記事】
住宅ローン金利は短期プライムレートによって動く1
住宅ローン金利は短期プライムレートによって動く2

さて、景気が好転しないと金利は上昇しない、が原則ですが、景気が悪くても金利が上昇することもありえます。その理由は次のページで。

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