医療保険/医療保険の基礎を学ぼう

子どもの医療保険は必要か?

子どもが生まれると多くの親が教育資金の積み立てを始めますが、子どもの病気やケガに備えて医療保障を考える人も増えているようです。どのように保障を確保するのがよいのか、そもそも子どもに医療保険は必要なのかどうか、詳しく解説します。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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親が入院や手術をした場合の家計への影響は?

医療保険は病気やケガで入院・手術などをしたときの、経済的な負担を減らすために加入するものです。では一般的な「夫・妻・子ども」の世帯では、家計にどのような影響が出るのでしょうか?
子ども,健康

みんな健康であれば保障はいらないが……


例えば、夫(共働きや専業主夫で妻の収入に支えられている場合などを除く)が入院・手術をすると、治療費などによる支出の増加や、その間、仕事ができなければ収入の減少が考えられ、家計への影響は大きいでしょう。

また、専業主婦(主夫の場合も)であっても、家事ができなくなって外部委託(外食など)が増えることによる支出の増加や、夫が見舞いに行ったり子どもの世話をしたりすることで仕事をする時間が減れば、収入の減少もあるでしょう。このように、夫や妻が入院や手術をした場合は、家計への影響が大きいと考えられます。

子どもが入院や手術をした場合はどうでしょうか?

子どもが入院や手術をした場合でも、もちろん治療費などの支出が考えられます。ただ、子どもには医療費助成制度がある(対象年齢は自治体によって異なる)ので、夫や妻が入院や手術をするよりは支出が少なくて済むはずです。

また、子どもが入院や手術をした場合、夫や妻は具合が悪いわけではないので、仕事や家事をすることができます。状況にもよりますが、子どもの付き添いなども夫婦で分担すれば、仕事や家事への影響は限られるのではないでしょうか。

子どもが入院する確率は高いのか?

厚生労働省の平成26年患者調査では、入院や外来(通院)患者への調査から、子どもが入院する確率を確認することができます。
受療率,入院患者数,外来患者数

年齢階級別推計入院・外来患者数と受療率


受療率(入院や通院をする確率)をみてみると、0歳時の入院受療率は1%を越えていますが、1歳から19歳までは0.1%程度しかなく、大人と比べてかなり低いことがわかります。外来の受療率は、9歳までは親の世代とあまり差はありませんが、10歳からはかなり低くなっています。

受療率から判断すれば、9歳までの外来(通院)への備えを確保したくなるかもしれません。ただ、生命保険会社などの医療保険では、入院を伴わない通院(外来)は基本的に保障の対象外となっているので、もし備えるなら医療保険以外の方法が中心となります。

子どもの医療費には手厚い助成がある

子どもの医療費には、各区市町村が子育てを支援するために手厚い助成制度を設けています。これは、健康保険証を使って医療機関で診療を受けたとき、医療費のうち保険診療の自己負担分(一部または全部)が助成されるものです。

例えば、東京都内の各区市町村の助成内容は、東京都の子ども医療費助成を比較!2017で詳しく取り上げています。子育て支援の一つとして、子どもの医療費助成にはどこも力を入れているので、今後も助成の対象年齢や要件が広がっていくと考えられます。

※初診の特定療養費・健康診断・予防接種・入院室料差額等の健康保険がきかないものは助成の対象外となります。
※助成制度の内容は区市町村によって異なります。保護者の所得に制限を設けている場合もありますので、内容をよく確認して下さい。

子どもの医療保険は必要か?

子どもの医療保険は、入っていたほうが当然安心はできますが、そのためには保険料を負担をしなければなりません。家族全体の保障を考えると、子どもの医療保障よりも、まずは夫婦の適切な死亡保障や医療保障の確保を優先してほしいものです。
親,医療保障,

子どもの医療保険よりもまずは親の保障を確保しておきたい


子どもの医療保障については、もし子どもが病気やケガで入院などをしてしまった場合でも、親の場合より家計への影響は限定されるはずです。それでも安心のために必要と考えるなら、月々1,000~2,000円程度の保険料(掛け金)で加入できる、子どもの医療保険や医療共済への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

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