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第3分野は大競争時代!!(2ページ目)

医療保険やがん保険などの第3分野は、多くの生命保険会社・損害保険会社が取扱っています。その激しい競争の実態をおってみました。

松浦 建二

執筆者:松浦 建二

医療保険ガイド

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第3分野の現在

■医療保険の種類増加
例えば入院給付金は、「1泊2日からの入院保障」ができて、従来からの「5日目から保障(4日免責)」や「8日目からの保障(免責なし)」などと比較することが可能になったり、1回の入院で保障される日数が30~1095日と種類が豊富になって、選択の幅が広がったりしました。がん保険も掛捨てでないタイプが登場したり、がんと診断された時にもらえる診断給付金が複数回受取り可能なタイプが登場したりしてきています。

選択の幅が大きく広がったことは好ましいことですが、その中から自分にあった商品を選ぶ難しさもでてきました。注意しないと希望と違った商品を選んでしまうこともありそうです。

■医療保険は生損保入り乱れてし烈な競争
過去に起きた規制緩和や自由化、日米保険協議の合意、金融ビッグバン等の結果、現在の第3分野は、生命保険会社や損害保険会社、外資や異業種からの参入などにより大競争時代となりました。

現在確認できた範囲で、医療保険を取扱っている保険会社は42社(生命保険会社が30社、損害保険会社が12社)、がん保険を取扱っている保険会社は28社(生命保険会社が19社、損害保険会社が9社)、傷害保険を取扱っている保険会社は30社(生命保険会社が7社、損害保険会社が23社)、介護の保険を取扱っている保険会社は13社(生命保険会社が9社、損害保険会社が4社)もあります。この数字には、医療やがんなどの保障を主契約ではない特約としてのみ用意している保険会社は含めていませんでので、保障を取扱いしている会社数となると、医療保障などは50社を超えるのではないかと思います。

■淘汰のはじまり
2000年以降逆ザヤなどの問題により国内の生命保険会社が何社も消えてきました(必ず契約等を引き受ける保険会社があるので保険会社数は減らず)。1996年にスタートした生命保険会社の損害保険子会社や、損害保険会社の生命保険子会社は、親会社の合併にあわせて合併したり、発展の見込みがなくて早々と譲渡したりして数が減っています。

戦略として、ゼロから育てるより出来上がっている保険会社と業務提携して時間を稼ぐ方法をとる会社、得意分野に集中特化する会社など考えはいろいろのようです。

第3分野の未来

今後は保険会社の淘汰もあるのか?
今後は保険会社の淘汰もあるのか?
■原点回帰!?
保険会社はさらに淘汰されていくのではないでしょうか?今後は、ガリバーの簡保が民営化されることで更に競争が激化していきます。どの業界でも同じですが、弱者は退場(保険業界は特殊なところがあり、退場するにも契約等を必ず引き受ける保険会社が必要)していかなければなりません。同じ資本グループ内での合併や住み分け、外資の撤退(日本大手保険会社や事業会社に譲渡)などは十分起こりうるでしょう。

■新たな商品の登場!?
今後銀行で医療保険等の取扱いがスタートすると、おそらく銀行が望む商品(販売しやすい)が多く登場してくるでしょう。既に銀行で取扱っている個人年金保険や投資信託の結果をみてもわかりますが、銀行の販売力は相当なものです。不思議なことですが、何故か日本では証券会社や保険会社に比べて銀行のほうが信用されています。銀行では顧客に適した商品を勧めるのでしょうが、行員が取扱う商品が従来の銀行商品にプラスして投資信託、年金、さらに死亡保険や医療保険にまで広がると、余程優秀な行員でない限り頭がついていけなくなるでしょう。加入する側としては、「○○銀行が勧めた医療保険だから大丈夫!」とならないようにしてください。あくまで自己責任です。

これから登場する商品としては、今後も入院日数の短期化や医療費の高騰に対応した商品が続々登場しそうです。例えば病気で入院した時に60万円の入院給付金をもらいたいと想定すると、少し前までは日額5000円×120日でしたが、現在では日額10000円×60日になり、今後は日額20000円×30日、更には日額30000円×20日のような保障内容にしておくことが望ましくなるかもしれません。

新しいタイプの商品としては、既に死亡保険にはある変額や利率変動型のような、インフレに対応可能な医療保険・がん保険や、ドル建てのものが登場してくるかもしれません。利用者にとって歓迎できる商品が続々登場してくることを期待しましょう!



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