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モンハンが到達した、任天堂のいない場所

発売6日で100万本の出荷を達成したモンハンP2G。PSPにおいて、中高生を中心としたマーケットの構築に成功したこのシリーズは、今後各ハードにとっても大きな影響を及ぼしていきそうです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

モンスターハンターP2G出荷ミリオン突破!

モンハンP2Gミリオン達成の図
発売当日は量販店で行列もでき、ビッグタイトルの存在感を示しました
2008年4月1日、PSP専用ソフトのモンスターハンターポータブル 2nd G(以下モンハンP2G)の100万本出荷達成が発売元のカプコンより発表されました。発売から6日でのミリオン達成、シリーズ最速そしてPSP最速の快挙です。

そもそも、PSPで100万本を突破したタイトルは、前作にあたるモンスターハンターポータブル 2nd(以下モンハンP2)だけだったりします。ハードの普及は800万台を超えていながら、イマイチ売り上げが伸びないPSPのソフト群にあって、モンスターハンター(以下モンハン)シリーズはまさに別格の売り上げといったところです。

そして、モンスターハンターが開拓した市場は、どうやらPSPやWiiなどの、ハードの行方にも大きく影響していきそうなのです。

PS2のオンラインゲームがPSPで花開く

モンハンP2Gをする高校生達の図
持ち寄って友達と一緒に遊べるPSPのモンハンは、中高生を中心に広がっていきました
モンハンはもともとは、オンライン対応ゲームとしてスタートしています。Playstation2(以下PS2)をオンラインに接続して、ネットワーク上にいるユーザー同士が協力して巨大モンスターに挑んで狩りをするというゲームです。

初代モンスターハンターの売り上げは約30万本。6日でミリオン出荷を達成したモンハンP2Gと比べてしまうと寂しい気もしますが、PS2の頃はまだオンラインに対応したゲームというのは少なく、あまりユーザーにも広がっていませんでした。そんな中で新規シリーズが30万本売れるというのは、非常に好調な出だしであったと言えます。

そこから、モンスターハンター2が倍の約60万本、プラットフォームをPSPに変えたモンスターハンター ポータブルが70万本弱。ここまではPS2のマーケットと同じ規模でPSPに展開していますが、ここからジワリ、ジワリとマーケットが広がります。モンスターハンターポータブルは廉価版のモンスターハンター ポータブル the Bestがさらにじわじわと売り上げを伸ばし、あわせて100万本近いところまで販売を伸ばします。その後は、モンハンP2が約160万本、モンハンP2Gは発売6日で出荷ミリオン達成という快進撃を繰り広げています。

もともとPS2のオンラインゲームとしてはじまり、PSPでジワジワとマーケットを延ばして、発売とほぼ同時に100万本を出荷するにまで至ったというモンハンの売れ方は、かなり特殊なマーケット構築の仕方をしているように思えます。次は、モンハンのマーケットがどのように形成されていったかを、もう少し具体的に考えてみましょう。
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