株・株式投資/株式投資の基礎用語

サブプライムローンとは?(2ページ目)

2007年7月末頃、サブプライムローン問題が発生し、サブプライムローンを提供していたアメリカのみならず、世界全体の株式市場が大幅下落しました。今回は、サブプライムローンについて、当時を振り返って解説したいと思います。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

  • Comment Page Icon

なぜサブプライムローンが問題になったのか?

FRB

米国政策金利の推移


図は米国政策金利の推移です。FRB(連邦準備制度理事会=米国の金融政策決定機関)による連続的な金利引き締め政策によって、住宅ローンの利用に歯止めがかかり、結果として不動産価格の伸びも鈍化していきました。この価格鈍化によって低金利のローンに乗り換えできないサブプライムローン利用者が増え、低い返済額から高い返済額へと移行するにつれ、2005年第4四半期のサブプライムローン延滞率は2002年第3四半期以来となる13%に悪化し、住宅の差し押さえが急増したのです。

なぜ株価は下落したのか?

サブプライムローン利用者が返済できなくなったことで、大手住宅ローン会社の経営が急激に悪化し、米国経済に大きな影響を与えると考えられました。また、当時はサブプライムローンを組み込んだ金融商品が多数存在しており、それらの金融商品の多くが、パッケージ化販売されていたため、どの程度、サブプライムローンが組み込まれているかが分からず、その金融商品に対する損失額がどの位まで拡大するかも見えない状況となっていたのです。そのため、それらの金融商品に投資をしていたヘッジファンドや金融機関までもが大きな損失を計上するのではないか?という憶測が株式市場の下落に拍車をかけ、アメリカの株式市場のみならず、海外の株式市場までもが大きく影響を受ける結果となったのです。

このように、サブプライムローンは、一部のサブプライム層に対するローンであったものの、サブプライム層に大きく貸出を増やしていったことで、大手住宅ローン会社は破綻にまでいたり、サブプライムローンを多くの金融商品に多く組み込んだ金融商品を世界の金融機関が保有していたことで、世界の株式市場を巻き込むような問題まで発展したのでした。
【編集部からのお知らせ】
・「家計」について、アンケート(2024/4/30まで)を実施中です!

※抽選で30名にAmazonギフト券1000円分プレゼント
※謝礼付きの限定アンケートやモニター企画に参加が可能になります
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます