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サブプライムローン問題とは?

サブプライムローン問題とは一体なんだったのでしょうか? 米国経済が混迷を続ける今、もう1度原点に返って考えてみたいと思います。

戸松 信博

執筆者:戸松 信博

外国株・中国株ガイド

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サブプライムローン問題とは?

いまさら誰にも聞けないサブプライムローン問題をここでおさらいしてみましょう
まず基本的な確認ですが、サブプライムとはどういう意味なのでしょうか? サブプライムとは、通常の融資を受けられる、信用格付けが高い、プライム層の下、つまり信用格付けの低い人のこと。つまりサブプライムローンとは、信用格付けが低い向けの住宅ローンのことです。住宅ローン市場の7~8%を占めていると言われています。

サブプライムローンが蔓延した本当の理由

70年台半ばにウォール街に彗星のごとく登場したマイケル・ミルケンという一人の天才がジャンク債を大量に集めてパッケージ商品を企画します。「クズ」を意味するジャンク債は文字通り、倒産して紙切れになるかもしれない借金(社債)で、1年で100%の利回りがつくと言われても当時は誰も見向きもしませんでした。しかし、単独のジャンク債であればいくら高利回りでも怖くて誰も買う人はいないけれども、たくさん集めてリスクを分散すれば利回りの魅力が勝ることを彼は発見したのです。これは生命保険の論理と同じです。つまり、全体の死亡統計が分かって計算した商品である限り、トータルで生命保険会社は損をしないということです。

その後もマイケル・ミルトンの発想は金融技術の進歩と共に様々な金融手段を生みました。銀行は信用度の低い融資先への債券をまとめて小口証券化して、投資家へ販売するようになりました。これにより、銀行は融資先が経営悪化しても、不良債権を抱えずにすむようになりましたので(リスクは証券を買った投資家が負うので)、比較的安全度の低い融資先へもどんどん融資するようになったのです。しかも米国の格付け会社がこの証券に高い格付けを設定したものですから、世界中の金融機関がどんどん買い、さらに需要は膨れあがって、さらに積極的な融資が行われました。融資が簡単にしかも大量に行われれば、不動産市場や金融市場に大量の資金が流れ込みますので、不動産価格は大きく上昇します。これがサブプライムローンが蔓延した本当の理由です。

→では、サブプライムローン問題はなぜそこまで大きな問題となっているのでしょうか?
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