定年・退職のお金/定年退職前後にやるべきお金の手続き

定年後も働く人の年金(1)(2ページ目)

60歳以降厚生年金制度に加入して働く人は、賃金や賞与によっては老齢厚生年金がカットされることがあります。ご注意を!

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

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在職老齢年金

60歳以降厚生年金制度に加入して働きながら受給する(特別支給の)老齢厚生年金を「在職老齢年金」といいます。在職老齢年金は、年金月額と総報酬月額相当額に応じて一部あるいは全部がカットされます。これを「併給調整」といいます。

年金月額とは、(特別支給の)老齢厚生年金額を12で割った1ヶ月分の額。総報酬月額相当額とは、4~6月の平均給与額に、直近1年間に支払われた賞与(1回の支払額上限は150万円)の総支給額を12で割った額を足した額を言います。
総報酬月額相当額と年金月額の意味

カットされる年金額の計算式は65歳前後で異なります。

60歳~64歳まで

昭和28年4月1日以前生まれの男性(女性は昭和33年4月1日以前生まれ)は60歳から、その後は2年ごとに支給開始年齢が1歳ずつ上がります。昭和36年4月1日生まれの男性(女性は手話41年4月1日)は64歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)を受給することができます。

60歳台前半の在職老齢年金受給額の計算式は次のとおりです。
60歳台前半の在職老齢年金受給額の計算式

では、昭和24年2月1日生まれのA氏の在職老齢年金を計算して見ましょう。前提条件は、総報酬月額相当額28万円、特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)月額10万円・特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分+定額部分)月額16万円、です。
60歳台前半の在職老齢年金受給額計算例

なお、加給年金が加算される人で在職老齢年金が全額支給停止になる人は、加給年金の支給も停止されますので注意が必要です。

60歳台前半の在職老齢年金早見表はこちら

65歳以降の在職老齢年金については次ページで
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