家計簿・家計管理/性格別の家計管理術

皇室の家計 悠仁さまご誕生でこう変わる

秋篠宮家の紀子さまが親王をご出産なさいました。41年ぶりの皇族での男子誕生で、国中が喜びに沸いています。当の秋篠宮家の家計はどうなっているのでしょう?

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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親王ご誕生のおめでたで秋篠宮家の財政はどう変わるのでしょうか?皇族の家計から、私たちの資産運用ニーズをとらえるキッカケとしていただきたいと思います。その前に、日本国憲法をお読みください。

憲法第88条 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

財政がまったく異なる雅子さまと紀子さま

写真のタイトル
お堀の中の世界は別世界だが、お金の苦労がないわけではないようです。

憲法にあるように、すべてのことは法令で決まっています。そして、まず理解したいことが、内廷費と皇族費の違いです。どちらも、皇族の生活費であることは共通項なのですが、内廷費は天皇家の生活費、皇族費は天皇家以外の宮家の生活費です。

天皇家とは、天皇陛下、美智子さま、皇太子さま、雅子さま、愛子さまの5人を指しています。天皇家以外の宮家とは、秋篠宮、常陸宮、高松宮、三笠宮、桂宮、高円宮の六家があり、2003年度予算では計22人の皇族がおられました。

【関連記事】皇室の家計はどうなってるの?

ちなみに、年間予算は、皇族費が2.7359億円、内廷費は3.24億円、他に公的費用としての宮廷費が64億円、宮内庁費が115億円、皇宮警察本部予算が88億円あるので、皇室関連の予算合計は273億円。国民一人当たり214円の負担となっています(すべての金額は2003年度予算額を引用しています)。

○内廷費 天皇家5人の生活費・・・3.24億円
○皇族費 天皇家以外の皇族の生活費・・・2.7359億円
     (悠仁さまの追加分は後述します)

皇族費とは、「皇室の品位保持」などの名目で天皇家以外の各宮家に支出される私的な「お手元金」で、食費や被服費、使用人などの費用に充てられ、課税されません。
 
国が負担する5人の生活費と22人(2003年度時点)の生活費が同様な金額なのですから、一人当たりの生活費はまったく異なります。同じ皇族でも、天皇家以外の皇族は、自由に使える金額が少なく財政的基盤がまったく違うということが、分かってきます。

それだけでは、ありません。雅子さまがどんなに長電話をなされても電話代は宮廷費から公的費用として支出されますが、紀子さまの電話代は私的費用として割り振られた皇族費からお払いになる必要があります。

秋篠宮家の年間予算は5,490万円


天皇家以外の宮家の皇族費は家族構成により決まります。2006年度の当主の基本定額が3,050万円、妃殿下にはその半額の1,525万円、子どもたちは当主の定額の10分の1の305万円です。子どもの予算が、成人すると3倍になるというルールも興味深いものです。

今回の親王ご誕生で、秋篠宮家の予算には子ども一人分の305万円が追加されこととなり、秋篠宮家の皇族費は総額5,490万円となります。
 
一般の家計と異なるのは、住居費でしょうか。秋篠宮は赤坂御所の官邸にお住まいですから、住居費はかかりません。さらに、宮内庁で手配した9人の職員たちの給与も公費(宮廷費)でまかなわれています。5人家族で5,000万円台の収入といえば、庶民のレベルからいえばうらやましい限りですが、国民の注目を浴びている著名人の収入としては、法外なものではありません。
 

家計のスタートは皇族離脱の一時金5,420万円から


戦前に比べて宮家の予算が小さくなったことには、理論的な根拠があります。それは、敗戦後の法律改正にさかのぼります。皇族に対する優遇、恩恵を削減する作業で想定された条件は、公費は75%、あとの25%は自分の仕事や運用でなんとか自立してほしいというものでした。

そうはいっても、現実に秋篠宮さまがどこかで働かれて給料をかせぐということはむずかしいですし、さまざまな名誉職を受けられてもお受け取りになる報酬には法令による制約があり、ままなりません。宮家の経済状態は世間の予想を裏切り、それほど潤沢ではありません。ですので、天皇家から離れて自立されたときに、一時金がでます。1990年6月に秋篠宮さまが紀子さまと結婚したときには、5,420万円が天皇家離脱の一時金として支給されています。
 
将来は天皇となる可能性のある悠仁さまの生活費が305万円というのは、意外な気がいたします。皇族といえども、資産運用を禁止されているわけではありません。ここからは想像の域を出ませんが、秋篠宮家でも、特別なファイナンシャルアドバイザーを雇って資産運用をされるのではないでしょうか?もちろん、宮内庁のお墨付きのアドバイザーであることでしょう。

さらに詳しい情報をお知りになりたい方は、「天皇家の財布」(森暢平著、新潮社)をご覧ください。

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