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今さら聞けない?株価はこう決まる!

株価はどうして決まるのか?超長期的には企業価値の反映です。企業価値は計算できるのか?実は、企業価値は、株価収益率(PER)と表裏の関係にありました。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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「株は買われると上がり、売られるから下がる」そう思っている個人投資家が多いと思います。それは、ある意味では合っていますが、別の意味では間違っています。

世界一の投資家、バフェットが「株価は短期的には人気投票だが、長期的には企業価値の反映である」といったことが、株価に対する普遍的な示唆になります。

株価は企業価値の反映


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株価は、「買われるから上がり売られるから下がる」とは限らない。本質的には企業価値を金額で表したもの。
一番原則的な定義は、株価は会社価値の反映であるということです。違うことばをつかえば、会社価値を発行済み株式総数で割った金額が株価です。

■会社価値 = 株式時価総額 = 株価 X 発行済み株式総数

それでは、会社価値とはなんでしょうか?会社価値とは、企業価値と似ています。そして、企業価値は、企業の将来収益の現在価値だといわれています。

※正確には企業価値と会社価値は異なるのですが、ここでは似たような数字として話しを進めることをご容赦ください

【関連記事】現在価値と将来価値

現在価値を計算するには、ディスカウントレート(割引率)が必要となります。ここでは、10%をディスカウントレートとして計算をしてみます。たとえば、永久に毎年100万円を稼ぎ出す企業の企業価値はいくらでしょうか?これからの1年ごとの100万円の現在価値を割り引く(ディスカウント)計算を続けて、その総和が企業価値となります。

1年後の100万円の現在価値 = 100 ÷(1+0.1)  = 90.90万円
2年後の100万円の現在価値 = 100 ÷(1+0.1)の2乗 = 82.64万円
3年後の100万円の現在価値 = 100 ÷(1+0.1)の3乗 = 75.13万円
100万円の現在価値はどんどん小さくなりますから、この計算を続けていくと、将来の100万円の現在価値は、最終的にはゼロに限りなく近づくことは想像できますね。したがい、この合計の数字(将来収益の現在価値の総和)はある一定の値に収斂していきます。それを連続した計算式として示すと次のようになります。

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デイスカウンテッド・キャッシュフローで株価を表すとこうなります


この計算式は次のようなシンプルな公式で示すこともできます。

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将来の単年度の利益をデイスカウント・レートで割ると、株式時価総額となります


つまり、「企業価値 = 毎年のキャッシュフロー ÷ ディスカウントレート」となります。永久に毎年100万円を稼ぎ出す企業価値は、1,000万円となります。それを株数で割れば株価となります。

企業価値と株価の関係はご理解いただけましたか?では、次のページで、企業価値とPERの関係をご説明いたします。
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