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ガイド:南 樹里

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掲載日: 2004年 12月 10日

「男たちの静かな闘いを見てもらいたいです」 平山監督レディ・ジョーカー語る

『レディ・ジョーカー』の平山秀幸監督に直撃インタビュー

■■『レディ・ジョーカー』の平山秀幸監督[Hideyuki Hirayama]直撃インタビュー(1)■■

Q:構想から5年ということですが、監督はどの段階から? 原作者の高村薫さんから要望が?

『レディ・ジョーカー』の平山秀幸監督に直撃インタビュー
第17回東京国際映画祭にて

『レディ・ジョーカー』の平山秀幸監督に直撃インタビュー昨年のはじめですね。その時には、新聞記者や(合田の義兄の)加納をはずして、「企業」「犯人」「警察」の3本柱で全体の構成をどうやっていくか?からスタートしました。(原作のどこを取るか?)というより…どこを削るかですね。

要望というのはなかったです。原作は、発売当時に読んでいて現金強奪ということでアクションっぽい印象を受けました。そこに差別があり、被差別者たちの復讐の話だと…でもそうではなくて。(組織に虐げられて人物が、虐げた組織に対して右往左往する姿?)ええ。差別問題や現金強奪は、レディ・ジョカーという世界をつくるためのものでシステムの話なんだと。原作では昭和22年から平成7年を描いていますが、<変わらぬ日本>、<すきま風>を感じて、それを崩したくないと思いました。

Q:原作ものの映画化が多いですが、その際に監督が心がけている事は?

『レディ・ジョーカー』の平山秀幸監督に直撃インタビュー
原作「レディ・ジョーカー」

(毎日新聞社刊)

原作ものが多いのはたまたまですよ(笑)。シナリオライターの鄭義信(チョン・ウィシン)さんと一緒に…『愛を乞うひと』(1998)の時は、虐待の問題もあるけど「親子」をちゃんと撮ろうと。それをキッチリおさえればと考えました。『OUT』(2002)は、かなり陰惨な話ですけど、喜劇にしよう!と思ったんですね。原作とスタイルの違いはあるかもしれないけれど、どこかたくましく、ってとこで原作のスピリッツはあるぞ!ってね。
『レディ・ジョカー』は、レディ・ジョカーのもつ匂いを大事にしたかった。まったく違う世界にいくのは原作者の方に失礼ですから(笑)。単なる金銭強奪のアクションものなら「レディ・ジョカー」じゃなくてオリジナルでも良かった。それこそ銀行強盗の話でもいいし…差別だけを描くなら他の原作ものでも成立したかもしれないし、そういうことも含めて原作の持つ<ザラザラ感>を大事にしました。

Q:登場人物も多く、また一人一人キャラクターも濃いですし、演出について?

『レディ・ジョーカー』の平山秀幸監督に直撃インタビュー

『レディ・ジョーカー』の平山秀幸監督に直撃インタビュー何で物井があの事件を起こしたか?原作には一行も書かれていないわけですね。原作には、時間を表す「行」がありますから、「昔、こういうことがありました」ってね。映画の場合はあまりないでしょ?だから。最初は、一人ずつ考えた。布川(大杉漣)は、こうだからこうとか、ね。でもそれって解説なんですね。そうすると「あっそう、そういう人たちね」てなっちゃう(笑)。それじゃ原作の持つ<得体の知れなさ>が無くなっちゃう。
(だからあえて、はしょったんですか?)そうですね。例えば布川を演じた大杉さんの出番は多くないですが、陽ちゃん(加藤晴彦)と車中で話している時に「捕まりたいんだよね」って言われる一言で、過去に何かある!って感じてもらえれば嬉しいですね。そこは冒険なんですけど。
(観客の観る力を信じているわけですね?)そうです。決して試すとかではないです。それはちゃんと観て頂ければ…伝わる事は人それぞれ違うでしょうけど、必ず伝わる何かがあるでしょうから。

Q:渡哲也さんについて?現場の雰囲気は? 映画『レディ・ジョーカー』は、なぜ主役がいないのですか?

『レディ・ジョーカー』の平山秀幸監督に直撃インタビュー
渡哲也氏
第17回東京国際映画祭にて

渡さんと、ご一緒できて光栄です。憧れの人ですから(笑)。オーラというか、本当に素晴らしい存在です。物井を演じるにあたって犯人らしい目つきとかは一切やめて、犯人だけど掃除もするだろうし洗濯だってするという姿勢を大事にしてもらいました。今回は10年前の「学校の怪談」の時のスタッフですから、特に変わったことは…。でも、渡さんが、いらっしゃると現場に緊張感がでましたよ(笑)。

(渡さんが、ご出演なのに主役じゃない!って驚きますよね。)最初に渡さんから、「これは群像劇ですね。じゃ、主役はいないですね。」と、言っていただいたからです。そう言っていただいて正直、ラクになりました。



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