なぜ「七夕=たなばた」と読むのか?
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| 幼い頃、短冊に何を書きましたか? |
日本では七夕は稲の開花期にあたり、水害や病害などが心配な時期です。また、お盆(旧暦の7月15日)の準備をする頃にもあたります。
そこで、収穫の無事を祈り、
棚機女(たなばたつめ)という巫女が水辺の棚の上に設けられた機屋で
棚機(たなばた)と呼ばれる機織り機を使って先祖に捧げる衣を織りあげ、それを祀って神の降臨を待つという禊(みそぎ)の行事を行っていました。棚には神聖なものを一段上げるという意味があります。
やがてこの行事と乞巧奠が交じり合い、現在のような形になって定着し、もともとは7月7日の夕方を表して
七夕(しちせき)と呼ばれていたものが、棚機(たなばた)にちなんで
七夕(たなばた)という読み方に変わっていったのです。
願い事はサトイモの夜露でしたためます
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| サトイモの葉を傘にして歩いてみたい…と思ったことがあるはず。朝日に光る煌めきは本当に綺麗です。 |
七夕には笹竹に願い事を綴った五色(※)の短冊を飾りますが、本来はサトイモの葉に溜まった夜露を集めて墨をすり、その墨で文字を綴って手習い事の上達を願います。サトイモの葉は神から授かった天の水を受ける傘の役目をしていたと考えられているため、その水で墨をすると文字も上達するといわれているからです。
※五色についてはこちらをご覧ください。
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なぜ日本文化に五色が多いの?五色って何色?
ちなみに、笹に短冊を飾るようになったのは江戸時代になってからのことでして、昔は梶の葉に和歌をしたためて祀っていました。梶の葉の裏側は細くて滑らかな毛がたくさん生えているため墨がのり、紙の原料としても使われていたのです。宮中行事を伝承する京都の冷泉家では、今でも古式ゆかしい七夕の歌会や乞巧奠がとり行われており、梶の葉が重要な役割を果たしています。
七夕の由来には、織姫と彦星の恋物語だけでなく、手技(機織・手芸・習字など)の上達や豊作の願いが織り込まれています。そんな話に思いを馳せながら七夕を過ごしてみてはいかがでしょうか。
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