All About > All About Life > 団塊退職による余剰人件費で賃金がアップする!?

4月のテーマ

幸せは今、ここにある!

第1週:景気回復の証拠がここにあるこれを見よ、世の中こんなに右肩上がり!

一覧へ

休止中

掲載日:2006年04月03日

団塊退職による余剰人件費で賃金がアップする!?

よくわかる経済」 ガイド:休止中

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
この数年、日本国内で働くほとんどの人が、何らかの形で「働くこと」に関する不安を抱いた経験があることでしょう。給与の引き下げ、リストラによる退職の危機、企業年金や退職金制度の崩壊…。ところが、最近聞くところによると、団塊世代の退職や早期退職制度によって、実は、企業に人件費が余っているとのウワサが?! となると、余った分の人件費で、賃金はアップするのでしょうか。

会社が儲かりはじめた!そのお金はどこに?

企業は儲かっている?
企業が儲かっていればお給料も増えるはず?!
「企業がどの位の利益を上げて、それは前年に比べてどの程度伸びているのか」ということや「その儲けをどのように使っているか」については、財務省の「法人企業統計」で分かります。3月上旬には2005年10月−12月期の発表がありましたが、企業の収益は、経常利益ベースで前年の同じ時期に比べて11.1%増加しました。7−9月期の前年同期比よりも増加率が高まったことでますます景気拡大がはっきりしています。

そこで私たちが期待したいのは、「企業が儲かっているのでお給料が増えるかも?!」ですよね。では、その儲けはどこに回っているのかを見てみましょう。

「法人企業統計」では、設備投資の額も発表されます。設備投資額は全産業で9.5%の増加、業種別で目だったのは自動車産業が引っ張る「輸送用機械」。前年同期比49.1%で、儲かったお金をモデルチェンジや性能アップのために工場や機械などの設備投資に回し、それが昨年の1.5倍もの資金だということです。

一方で日本銀行が発表する「日銀短観」では、企業の経営者は今後の人件費アップは避けられないとの見方をしていることがはっきりしました。野村証券・金融経済研究所によると、過去1年間の人件費アップは、経常利益が8.8%減少するのと同じ効果だと見ています。人件費上昇の影響は起業にとって無視できない大きな費用だということです。設備投資も人件費も、将来の利益を生む元手となりますが、今後企業は、どこにどのように資金を使うかで明暗が分かれそうです。

働く環境はますます二極化に

この、企業にとって一番高いコストでもある人件費。日本の雇用制度は欧米のようにドラスティックではなく、コスト削減=雇用者削減、というわけにはいかず、これまでいくつかの代替案で乗り切ってきました。その結果、パート・アルバイト・派遣スタッフという柔軟に対応できる人材を活用することを定着させたり、正社員が離転職しやすい環境をさりげなく整えたりしてここまできました。

従来の雇用体系では、退職者が出ればところてん式に次世代に仕事が回ってくる、というものでした。責任、役職、手当てについても代替わりしていました。ところが、バブル崩壊後の危機を乗り越えてきた経験から、企業は、従来どおりの雇用・賃金体系を再度用意してくれることはないでしょう。その証拠に、実力のある人材はどんどん登用され、必要のない人には目もかけてくれないという二極化が進んできています。総務省の「家計調査」からも、30歳代同士の収入、貯蓄額など格差はますます広がっていることがはっきりしています。

では団塊世代の退職は、給与体系を大きく変えるのでしょうか。
 
1 / 2