7月のテーマ
国はあなたを守ってくれない!
第4週:守って頼ってばかりではダメ! 攻撃は最大の防御なり、攻める人生それもアリ

都会を離れ、ゆったりとした田舎暮らしに憧れる人も多いはず。
自然がいっぱい、物価が安いと田舎暮らしはメリットばかり取上げられがちですが、デメリットもあります。そう、田舎には働くための職種が少ない。土木や建築、農林漁業といった職場がほとんどです。
田舎だからこそ第一次産業だ!とチャレンジするのも一つの選択ですが、ちょっとリスクが多い。100%の田舎暮らしを始める前に、あなたが都会の生活で培ってきたスキルを活用しないてはありません!街では今までの経験を活かしビジネスをしっかり、自然の中ではスローライフを満喫。都会と田舎の「いいとこどり」する、マルチハビテーション(multi habitation)のススメです。
100%の田舎暮らしは無理だ…という人にオススメの
「マルハビ」という住まい方・暮らし方
マルチハビテーション(マルハビ)という住まい方をすこし、噛み砕いてご説明しましょう。マルチハビテーションとは−−−住居の複数化のことです。例えば、ウィークデーには情報が収集しやすい都市で仕事に集中し、ウィークエンドには田舎でゆったりとした時間を満喫する。この両方を使いこなすことで、高度な都市機能と田園地帯の豊かな住環境を同時に享受できるという、新しい田舎暮らしの考え方です。
一挙に100%の田舎暮らしは無理だ、と諦めかけている人。「マルハビ」からスタートしましょう!
パソコンに出会って人生が変わったG氏とマルハビの始まり
実際にマルハビを実践されているデザイナーのG氏。彼がどのように、マルチハビテーションを始めたのか、そのきっかけやプロセスを実例として今回はご紹介させていただきます。十数年前、デザインの現場はそれまでの紙+筆から、パソコン+マウスという新しい世界へ移行しつつありました。
G氏は迷っていました。慣れ親しんできた技術でこれからも押し通すか、新しい表現ツールでデジタルな世界にチャレンジしてみるか・・・彼のこの迷いを吹っ切らせたのが、ある科学雑誌の記事との出合いでした。
記事の見出しはこうです。「今までのコンピューターは人間が努力して近づかなければならなかった。これからはコンピューターが人間に近づいてくれる。Macintosh」。この記事に感銘を受けたG氏は、あらゆる手を尽くして奥さんを説得。オーダーしてから三ヵ月かけて(それも船便です!)手に入れた時の喜びを、今でも彼は熱っぽく語ってくれます。
その後は伝道師そのもの。その地域では無かったユーザークラブを立ち上げる、講習会があるとハード持込みで駆け付ける、アメリカから手に入れたソフトを無償配付する、マックを囲んで勉強会兼パーティをする・・・。彼の周囲は最先端のデジタル機器と情報に溢れていました。
田舎で発想し都市で完成させるワークスタイルの楽しみ
「僕は旧いタイプのイラストレーターだから、一挙にマウスで絵が描けないんだよね。やっぱり最初はデッザンとスケッチ。それが出来上ってからがコンピューターの出番なんだ。田舎はそれをじっくりやれる場所だ」とある日、G氏は「田舎アトリエ計画」を宣言しました。街からのアクセスや予算などの条件をリストアップし、数カ所の村役場を訪問。運良く空家情報なるリストが手に入りました。そして家族会議、現地見学、家賃の交渉などを繰り返し現地に決定。引越日には友人知人が集まり、部屋掃除兼宴会で大盛り上がりです。
アトリエ計画は無事成功。それからのG氏はというと、平日はイラストの仕上げと打合わせや資料収集などに費やし、月に2〜3回程度、デザイン用具一式と文庫本をバッグに放り込みイソイソと田舎に出かけて行きます。
都市部のマンションでは、先端機器を駆使して情報を収集・蓄積するデジタルな仕事。田舎の借家では、スケッチブックと2Bの鉛筆でアナログな仕事。つまり田舎で発想し、そのアイディアを都市で完成させる、ということですね。G氏は二つのワークスタイルを上手に楽しみ、使い分けています。
「緊急の連絡とかあったらどうする。ケイタイかラップトップぐらいは持って行って欲しい」という、クライアントや友人たちの要求にもG氏は頑として首を縦に振りません。
その代わりに「街の情報は多すぎる。田舎の環境で一人になって情報も一旦ストップして、頭の中でじっくり整理すると仕事のヒントが見えてくるんだ」と、クリエーターのための仙人的生活の大切さを、同僚や後輩たちを捕まえては説得しています。
そしてG氏は、このワークスタイルの不便な点も認めています。「自宅と事務所にプラス田舎の借家だから、やっぱり経費がね。空家を格安で貸してもらったんだけど・・・。エアコンも我慢してるから、夏は暑いし冬は寒いし。街に逃げ帰りたい日もある。でもね、週末は家族のアウトドア遊びの基地にもなってるから、その分、経費はプラマイ・ゼロってとこかなぁ」。
あなたにピッタリのマルハビ・スタイルは?
あなたも、マルハビから始めてみませんか?様々なマルハビの形があります。1.生活拡張型
近隣の賃貸住宅などを確保することで、一つの住宅で不十分な広さや部屋の独立性をカバーする。仕事部屋、趣味空間、接客空間としての利用など。
2.都市アクセス型
ビジネスや文化、レジャー、人的交流などの都市要素へアクセスするための拠点。通勤用住宅など。
3.郊外生活型
余暇利用を主目的とするのではなく、その住宅や周辺地域を生活の場として居住。リタイア後住居を事前確保する付加型や、最初から本拠地とするホーム型など。
4.田園エンジョイ型
自然環境、レジャー施設や観光資源を楽しんだり、地域の人々と交流するなど、遊びを楽しむ拠点。日常ニーズは都市、余暇ニーズは徹底して田園など。
*参考資料:「定住を超えて〜マルチハビテーションへの招待」長谷川文雄プラスヒューマンルネッサンス研究所刊
生活の環境が人に与える影響は大きい。だからこそ異なる場所(都市と田舎)での暮らしを体験し、人々と交流することが重要です。そこから自分の目指すライフスタイルに合った、理想の田舎暮らしがきっと発見できるはずです。
*マルハビについてもっと詳しく知りたい人は*マルハビの実践者を訪ねたい人は
7月第4週:守って頼ってばかりではダメ! 攻撃は最大の防御なり、攻める人生それもアリ
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