マーケティング/マーケティング事例

男前豆腐に学ぶ短期でブランドを確立する法(3ページ目)

『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』など奇抜なネーミングとこれまでの豆腐とは一線を画す味覚で急速に豆腐界のブランドとなった男前豆腐。短期間で頂点を極めたブランディング戦略とは?その秘密に迫ります!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

商品へのこだわり

『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』
『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』は名前負けしないこだわりの豆腐だった!
もちろん、多くの人に知ってもらって、ストーリーで楽しんでいただいても肝心の商品がだめならブランドにはなりえません。その点、伊藤社長の商品へのこだわりも重要なポイントとなります。通常、豆腐は比較的年齢層の高い消費者を対象として商品開発を行っているのですが、男前豆腐店が狙うのは20代、30代の若い世代。男前豆腐店では他社があっさりした豆腐を提供する中で、逆に豆本来の味を活かしたこってりとした豆腐作りを心掛けています。

『風に吹かれて豆腐屋ジョニー』では特別の製法を開発して従来の豆腐にはない柔らかさと甘さを実現しています。伊藤社長によればデザートとしても通用するような豆腐を目指してできた商品なのです。また、『男前豆腐』は豆腐をよりおいしく食べてもらうためにパッケージを改良。豆腐はゆっくり時間をかけて水分を抜いていくとおいしさが増すそうですが、『男前豆腐』では販売している間に水分が抜けて食べる頃には最高のおいしさでいただけるように水切りの仕掛けが施されています。

男前豆腐店では変わったネーミングやパッケージに注目が集まっていますが、実は豆腐の概念を覆すようなこだわりの商品が真の強みということができるでしょう。

保守的な業界だからこそ短期間で旗を立てることができた


豆腐といえば通常どの商品を購入しようと味覚にそれほど大差はありません。どの企業もあっさりとした味覚の特徴のない商品を市場に投入してきたのです。このような市場では「豆腐といえば○○」というブランディングも成されてきませんでした。このような保守的で各企業の商品にこれといった特徴の無いマーケットでは他社と全く違った方法で市場にアプローチすれば、自ずと目立つことが可能です。男前豆腐店の伊藤社長は豆腐業界という古い慣習によって支配されている保守的な業界に奇抜なネーミングや他社が提供する主流の商品と逆の味覚の商品を投入することによって短期間で豆腐市場において“とんがる”ことを可能にしてきました。

このように露出の向上による認知度アップ、顧客も一緒になって楽しめるストーリーの提供、こだわりを持った質の高い商品生産などで急速にブランドを確立した男前豆腐店。特に大企業が参入していない保守的な業界では、ブランドを確立するためのトータル戦略として学ぶべきポイントが多く含まれています。


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