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新生命、癒し系ロボットの中身(2ページ目)

水槽で泳ぐ魚型ロボットや、光を求めて進む虫型ロボットなど、私達の心を癒してくれそうな可愛いロボットが生まれている。しかしこの中身を見てみるとそこには最先端技術が色々使われていた。

執筆者:木村 勝己

光を求めて進む虫型ロボット

その小ささがギネスにも登録されているマクロロボット“ムッシュ”は、光を追いかけて進む虫型ロボットである。その目が夜行性動物のようでもあり、クリッとした感じで可愛い。

これはセイコーエプソンの精密加工のウオッチ・テクノロジーから生まれたものである。体積1立方センチメートルの中には、ミクロ部品がいっぱい詰まっている。

ステッピングモーターを使った駆動部、マイクロプロセッサーによる頭脳部、省エネ、コンパクトの電源部があり、さらに光センサを持ち、光をあてるとその方向に進むようにプログラムされている。製作は顕微鏡を使っての根気の要るものである。

第1世代の1匹目(1号機)は1991年に発表(1993年発売)されており、現在は4匹目になる。最初の試作は触覚が1本の角型であったが、現在は両耳型に変化している。


「ムッシュ」「ニーニョ」「ルビー」「リコルド」の4 匹写真提供:セイコーエプソン株式会社


多数でダンスができる

ムッシュの子孫にあたるムッシュ?-Pは、高い省エネ性能を持つブルートゥースモジュールを搭載し無線で制御できる。小さな2つの車輪を同じ方向に回すと前進・後進ができ、異なったスピードで回すとカーブ、逆方向に回すとその場で回転できる。無線で同時に制御できるため、多数でのダンスもできる。

車輪にはそれぞれ超薄型超音波モーターが入っている。これは“ピエゾ素子”という電圧を印加する伸縮する薄板を1秒間に30万回も動かして車輪を回しているそうだ。

癒しの中に最先端技術

先の人工筋肉にも似たような動きをするものが動力となっており、このような電気の刺激で直に機械的に反応する素子は、今後マイクロ製品には重要なデバイスとなりそうである。

魚や昆虫のような可愛い癒し系ロボットであるが、中に使われている技術や加工技術は最先端のものであることが素晴らしい。このような遊び感覚から技術の進歩が進み、医療分野など多くの分野へ応用が進むのは楽しみだ。
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