大学生の就職活動/就職活動の準備

4年生向け 留年か、卒業か……それとも?(4ページ目)

まだ内定がないなら、選択肢は「卒業する」「留年する」「卒業までに内定を取る」の3つ。どの道を選ぶかは君自身。ただ安易に決めないで欲しい。ギリギリまで自分の可能性を信じて欲しい。

執筆者:見舘 好隆

3/31までに内定を取る。

地図
たった2ヶ月だからこそ、出来ると思わないかい? どうせダメで元々じゃないか。
3/31までに内定を取る。この選択肢をただ提示されても、きっとこう思うだろう。

「今から内定が取れたら、誰も苦労しないよ!」

同級生がみんな内定を取ってしまったこの時期に、「3/31までに内定を取る!」という道は、ついつい諦めてしまう道だと思う。でも、3つの選択肢の中で、実は最も現実的にかつ可能性が高い道だということに、是非気が付いて欲しい。それは、就職活動がうまく行かなかった理由から考えてみれば、説明できる。おそらく、その理由は以下の5つだろう。

  1. 「働く意味」が理解できない。
    ずっと「働くこと」を考えることを、先延ばしにしてしまったのだろう。確かに難しい問題だ。でも、もう「勉強で忙しい」などの言い訳は通用しないんだ。いずれにしろ、これからのことを親と話し合わなくてはならない。時間もわずか2ヶ月ちょっとだ。そんな過酷な状況だからこそ、自分にとって「働く意味」がやっと言葉にできるチャンスだ捉えてみようよ。ヨットの帆は、逆風でも前に進めるようにできているんだ。ずっと親に依存して生きるのも不自由じゃないか。時間が無い状態を味方にして、もう一度考えてみよう。
     
  2. 「働く自信」が無い。
    1と基本的に同じだが、「働く自信」が無いからこそ、この際、残った時間で内定を取った会社で、一度働いてみようよ。内定取って、一度働いてみて、それでもダメだったら辞めればいい。結果は同じでも、「一度働いてみた」自信が手に入る。これはとても大きな武器なんだ。履歴書に職歴として書けるから、将来急に仕事をしたくなったとき、書類選考で少しは有利になる。面接で働いた経験を話すことができる。「働く自信」が無いまま卒業する自分より、かなり成長した自分になれるだろう。前述したキャリアに繋がるフリーターでもいい。ダメでも元々。トライしようよ。
     
  3. 面接が怖い。
    就職活動が嫌になる原因は、面接で落とされることだろう。人生で初めて、人材としての価値がないと具体的に裁かれた訳だから、そりゃあ、落ち込むよね。何度も何度も落ちたら、やる気もなくなってしまうキモチ、解るよ。でも、だからこそ、今からもう一度始めようよ。だって去年の春から夏にかけてのピーク時期に比べれば、ライバルなんてほとんどいない。今のライバルは、君と同じように悩んでいるはず。なら、ちょっとアクセル踏めば、勝てると思わないか? 面接できっと「今までなぜ就職活動の続けてるの?」なんて辛い質問が来るかもしれない。そんな時には、至らなかった自分をそのまま素直に伝え、就職活動を通して成長したことを伝えてみてはどうかな。今までの面接で落ちた自己PRより、よっぽど説得力があるよ。
     
  4. 「やりたいこと」が見つからない。
    「やりたいこと」が逆に足枷になって、今まで就職活動がうまく行かなかった学生は結構多い。記事「“やりたいこと”は自分で作る!」でも述べたけど、「やりたいこと」は「やってみること」で作り出すものなのだ。なぜならば、いま君が考えている「やりたいこと」は、まだ職歴がほとんど無い君の小さな心に存在する選択肢の一つに過ぎないのだから。もし今君が考えている「やりたいこと」が、実は全然想像と違ってつまらなかったら、馬鹿みたいじゃないか。そんなことにこだわって、わざわざフリーターというその先のキャリアパスが狭いイバラの道を選ぶことはない。一度、今までのこだわりなんて捨てて、2006年度版のリクナビを見てみようよ。毎日就職ナビを見てみようよ。就職課やハローワークの求人票を見に行こうよ。以前より選択肢は少なくなった分、いままで以上にじっくりと吟味できる。意外といい企業が見つかるものだよ。
     
  5. 妥協までして就職したくない。
    妥協をしたくないキモチは解る。でも、ここでの「妥協」は、本当に自分にとってマイナスなんだろうか。クランボルツ教授の名言「まず未来の配偶者が誰だか分からないと、デートを始められないのか?」が意味するように、ずっと白馬に乗った王子様を待つなんて、とてもナンセンスだ。とりあえずデートしてもいいじゃないか。ずっとこだわって苦しむより、とりあえず「経験」することが大事なのだ。
    下の図を見て欲しい。採用予定数に満たない場合の充足方法であるが、フリーター(非正社員)が5%、第二新卒者が19%である。つまり、とりあえず少しは妥協しても就職した方が、「やりたい仕事」に就ける可能性は、約4倍も高くなると言うことなのだ。実際、私の身の回りにも、大学生にとってみれば、憧れの大企業に、第二新卒で転職した人はたくさんいる。企業にしても、ある程度社会常識を持ち、前述した「基礎力」を持つ第二新卒の方が、職歴の無いフリーターよりも、格段に魅力的なのだ。
    第二新卒

以上、
  1. 卒業をする。
  2. わざと単位を落として留年をする。
  3. 3/31までに内定を取る。
この3つの選択肢を検証してみた。どの道を選ぶかは、もちろん君自身だ。どれがベストかは、人によってもちろん違う。ただ、安易に決めないで欲しい。ギリギリまで、自分の可能性を、信じて欲しい。

※あともう1つ、補足しておく。これも「仕事に活かせる資格」ガイドのいぬかいはづきさんに教えてもらったのだが、各ハローワークで受け付けている一般求人(中途採用向け求人。普通は学生は応募できない)についても、未経験可で、卒業間近(3月卒業なら1月など)であれば学生も可という求人も多いそうだ。学生職業総合支援センターのサイトでチェックしてみよう!


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