営業のノウハウ/営業の商談・ヒアリング

【特集】仕事で使える「一芸」を身に付ける 人間関係をよくする「聞く技術」(4ページ目)

人は自分の話を聞いてくれる人を好ましく思います。人間関係をよりよいものにしたいなら、上手な「話し方」ではなく、上手な「聞き方」を身に付けるほうがよいのです。

執筆者:鹿俣 之信

開いた質問と閉じた質問

聞き上手は質問上手でもあります。

相手が話したいことを引き出すため必要なのが「質問」のスキルです。質問は、分からないこと問いただすために使うのではなく、相手が話したいことを話しやすくするために使います。

質問には「閉じた質問」と「開いた質問」があります。

「閉じた質問」とは、答えが限定される質問です。

「来週の月曜は空いてますか?」
→答えは「はい」か「いいえ」

「中華とイタリアンならどっちが好き?」
→答えは「中華」か「イタリアン」

このように、限定された選択肢の中から、ひとつを選んで答えるのが「閉じた質問」です。「閉じた質問」は、答えやすいのが特徴です。

それに対して、「開いた質問」とは、答えが限定されていない質問です。

「将来の夢は何?」
→答えは「海外に別荘を建てること」などさまざま

「昨日の商談はどうだった?」
→答えは「いい感触で見込ありそうです」などさまざま

このように、自由に答えることができる質問が「開いた質問」です。「開いた質問」は、自由な返答によって会話が広がっていくのが特徴です。

「閉じた質問」と「開いた質問」を使い分けると、相手が話しやすいようにすることができます。

Aさん 「先週行った飲み屋どうだった?」(開いた質問)
Bさん 「うん。なかなか雰囲気よかったよ。」
Aさん 「高かった?安かった?」(閉じた質問)
Bさん 「わりと安かったかな。」
Aさん 「料理は何が一番おいしかった?」(閉じた質問)
Bさん 「アジアン生春巻きっていうのがおいしかったよ。」
Aさん 「へぇ、どんな料理なの?」(開いた質問)
Bさん 「鶏肉の唐揚げと野菜が・・・」

質問は「開いた質問」からはじめるのが基本です。相手が「開いた質問」に答えにくそうにしていたら、「閉じた質問」をして答えやすくしてあげます。「閉じた質問」で話の方向が見えてきたら、また「開いた質問」をするわけです。

「閉じた質問」ばかりをくり返すと、聞き手は詰問されているように感じてしまいます。「閉じた質問」の後には「開いた質問」をするようにしましょう。

→ 第4のスキル 受容と共感

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【特集】人間関係をよくする「聞く技術」
第1のスキル うなずきとあいづち
第2のスキル オウム返し
第3のスキル 開いた質問と閉じた質問
第4のスキル 受容と共感
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