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労働基準法の休憩・休日・休暇について

労働基準法を知るシリーズ、第4弾です。勤務時間に関する回でも一部ふれましたが、休憩、休日・休暇について基本と留意点をまとめました。

執筆者:西村 吉郎


『労働基準法』を知るシリーズ。今回は、(1)でも一部触れましたが、休憩時間、休日・休暇に関する部分をより詳しく見ていくことにします。

休憩時間に関する基本と留意点

1日の労働時間が6時間未満であれば、休憩時間を与える必要はありませんが、6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間を、労働時間の途中に与えなければなりません。また、前項の休憩時間は、一斉に与えなければなりません。ただし、労使間で協定を結んでいる場合には、交替で休憩をとるなどの措置を講じることができます。

 
専門店や飲食店、あるいはカウンター営業など来客を相手にする仕事では、本来なら自分の休憩時間であるはずなのに、会社からは、「食事を済ませたあとゆっくりしていてもいいが、来客があったら対応すること」などと命じられることがあります。

また、一般の企業でも、もし昼休みの時間帯に客先などからの電話が入った場合に備えて、少なくとも一人を電話番として残したりすることもあります。この場合、弁当を持参している人が常に留守番役を押しつけられることになりがちだったりします。

もし、結果的に休憩時間のうちに来客や電話がなかったとしても、いざというときに備えて待機している時間は、【手待時間】と呼ばれ、休憩時間とはみなされません。つまり、仕事をしているのと同様として、会社には、その時間について、所定の時間給を支払う義務が生じるわけです。

また、手待ちの状態で休憩時間がつぶれてしまったときは、別途、当人に対して所定の休憩時間を付与しなければなりません。

一斉付与の原則に関しては、商店、金融機関、病院などの事業についてはもともと対象外ですが、それ以外の業種で例外として認めてもらう場合には、以前は、管轄の労働基準監督署の許可を得る必要がありました。04年1月の法改正以降は、各職場において労使間で取り決めすれば原則からはずれてもいいことになっています。

ごく一般的な会社では、労使間協定の必要もなく、正午から午後1時くらいを昼休みと定めているものと思いますが、飯時は混むからと、時間をずらして、おもむろに食事に出たりする人も、中にはいますよね。これは、労基法の原則からいえば、法に反する状態ですから、会社が罰せられることになります。

現実には、労基署あたりからとがめられることはまずありませんが、もし、午後一で会議が設定されている場合など、自分だけ昼休みをとるというわがままは許されないことになるでしょう。
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