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業務引継書の作成方法!完璧な残務整理のポイント6選

円満退職のためのいちばんの要点は残務整理と業務の引き継ぎ。退職で会社・同僚にかける迷惑をできるだけ小さくするために、業務引継書を使って完璧な残務処理と引継ぎのやり方のポイントを押さえ、スケジュールを立てましょう。

執筆者:高野 秀敏

業務引継書で!自分の退職までにする残務処理・業務の引継ぎ手順

業務引継書の作成方法と完璧な残務整理のポイント6つ

退職時の引き継ぎ



退職の手続きのなかで最も重要なのが残務整理・業務の引き継ぎです。ここをいい加減にすると、会社に大きな迷惑をかけるだけでなく、退職後もことあるごとに電話で問い合わせされたり、ときには呼び出されて処理に当たるよう求められることにもなりかねません。完璧な残務処理のポイントを押さえておきましょう。  
 
<目次>
 

自分の退職までの引き継ぎスケジュールを作る:取引先への挨拶も

最初にするべきことは、業務引き継ぎの作業スケジュールを立てることです。とりあえず片づけなければならない仕事がいつまでかかるのか、備品や資料の整理にはどのくらいの期間が必要か、後任者と一緒に仕事できるのはいつからか、取引先への挨拶、上司への報告などをいつまでにすませるかなどを時間の配分を考えながらまとめていきましょう。

このスケジューリングでのポイントは、退職日より少なくとも3日ほど前にすべての残務整理、業務引き継ぎが完了するよう組むことです。3日もあれば、突発的なトラブルなどで計画に狂いが出ても調整することが可能だからです。予定はあくまでも予定として、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。

なお、実際の残務整理・引き継ぎ作業は、上司に退職の意思表示をし、退職の承認が得られてから行うことになりますが、転職を決意したときから少しずつ備品や資料の整理を始めていけば、無理なく効率のよい残務処理が可能になります。
 

引き継ぎ事項をノートに文書化:引継ぎマニュアルとして利用できる

引き継ぎ事項はできる限り文書として残すことが肝心です。文書として整理することで、引き継ぐべき必要事項の見落としを防止できると同時に、後任者への伝達ミスも防げます。後任者にとってはそれが退職後もマニュアルとして利用できるでしょう。

引き継ぎのメモ・ノートは、営業職であれば顧客別にリストをつくり、定期的に納入すべき商品などの契約内容や、フォローすべき事項などを項目立てて整理すると見やすくなります。取引先の担当者の特徴や性格、趣味、家族構成などのパーソナルデータも知り得た範囲で付け加えておくと重宝がられることでしょう。

技術職の場合は、それまで携わってきた製品に関する資料や機材引をしっかりと引き渡すことも重要になります。図面・設計書・仕様書はもちろん、検査要領書、資材表なども製品ごとに整理して保管するとともに、それらの所在について「資料・備品類保管一覧表」といった形でリスト化しておくといいでしょう。
 

最低1週間は後任者と一緒に仕事を:新しい担当者が円滑に引き継げる

いくら完璧な引き継ぎノートを作っても、実際に仕事してみないとわからないことも少なくありません。少なくとも1週間は後任者と一緒に仕事する機会をつくれるよう、上司と相談しましょう。コンピュータソフトや製品開発などの技術職では、製品の設計者個人の価値観やものの見方が関係するため、その技術者が何をどう作ろうとしているのかを引き継ぐことが難しい、ともいわれます。だからこそ、あとは後任者とマンツーマンでじっくり時間をかけて、引き継いでもらう必要があります。

業務を引き継ぐ後任者はたいていの場合、同僚のうちの誰かになります。横すべりで新しい業務に就くことは少なく、とりあえずはいまの仕事を担いながら、それにプラスした仕事として業務を引き継いでいくことが多いでしょう。したがって、引き継ぎでは、後任となる人の時間的な都合も考慮して進めていかなければなりません。

1週間まるまるを引き継ぎにかけるわけにいかない、という場合は、早め早めにお互いの仕事のスケジュールを調整して、時間の都合をつけてもらうことが必要です。
 

問題点は完全に解決して引き継ぐ:問題の対処後でも内容を必ず報告

業務を引き継ぐ側にすれば、他人の責任によるトラブルまで引き継がされるのではたまったものではありません。これまでの業務に関して未解決の問題があれば、それは退職するまでの間に自分の責任で完全に解決しておかなければなりません。

現在は問題とはなっていないものの、いずれは問題が起きることが予想されることについても、事前に対処できるものなら、退職までにできる限りの対策を打つと同時に、後任者や上司にもその問題点を報告しておくべきです。ここまでしておけば、退職した後になってまで責任を押し付けられる心配はなくなるでしょう。
 

取引先には後任者を連れて挨拶回りを:会社の今後にも繋がる重要項目

営業職や受注業務を請け負っている人などクライアントを抱えている人は、これら外部の人への挨拶回りも欠かせません。後任者を紹介するだけでなく、退職までの間に何回かは、打ち合せや契約などの場に立ち会い、後任者と2人で取引先に対処します。こうすることによって、取引先に対しては、業務の引き継ぎが問題なく進んでいることと後任者の信頼性についての安心感を与え、後任者に対しては取引先との新しい人間関係をスムーズに成立させるための仲立ちができます。
 

上司にも引継ぎ内容を具体的に報告:上司に自分の携帯番号も伝える

引き継ぎが完了したら、上司に完了した旨を報告します。この場合、終わったことを伝えるだけでなく、どういう形で引き継いでもらったのか、できるだけ具体的に報告し、上司に理解を求めます。後任者に渡した引き継ぎノートをコピーして上司にも提出しておくと、上司がいざというときに後任者への指示を出しやすくなります。後任者としても、司が責任の一部でも担ってくれることになれば、気分的に楽になるでしょう。

完璧を期したつもりでも、どこかで抜け落ちていることもありえます。そこで、退職後に問い合わせたいことが生じたときのために、上司に自宅あるいは携帯の電話番号を渡しておくことも忘れないでください。

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