年末調整で見落としがち・申請し忘れがちなことの原因は、大きく分けて以下の3点に集約されます。勤務先に年末調整の書類を提出するとき、あるいは提出したあとも以下のポイントに留意するといいでしょう。
そのポイントとは、
- 書類記入時の盲点
- 書類提出時期の盲点
- 年末調整の処理項目ではないという盲点
の3点です。
この3つの盲点について、「平成21年に勤務先に休業届けを提出し、年末に出産、平成22年の大半は育児休業扱いで過ごした」というケースで説明してみましょう。
書類記入時の盲点
出典:国税庁 年末調整のしかたより
書類記入時の盲点とは何でしょうか。年末調整の書類を提出するときに「昨年と同じように書いて提出」してしまう場合には、この盲点に気付かないことが多いといえます。このケースでいえば、配偶者控除や配偶者特別控除の適用漏れが考えられます。事例では、通常年よりも平成21年と平成22年は年収が極端に少なくなっていることが考えられます。そのため合計所得金額が38万円以下であれば配偶者控除の対象に、また合計所得金額38万円超・76万円未満であれば配偶者特別控除の対象となり、控除額が段階的に低減するかたちで控除対象とすることができます。
給与所得者であれば、年収から65万円を差し引くことによって合計所得金額をもとめることができますので、育児休業をしている期間は毎月の給与明細をきちんと保管しておいて、配偶者控除や配偶者特別控除の適否を確認しましょう。
書類提出時期の盲点
ふたつめのポイントとして書類提出時期の盲点、つまり、スケジュール上の盲点に引っかかってしまうケースです。このケースでは、扶養親族の適用漏れが発生しているケースが高いといえます。通常の年末調整のスケジュールは、
11月中旬:扶養控除等(異動)申告書等の書類を配布
12月:配布書類を勤務先が回収
となり、その書類に記載されている内容に基づいて、年末調整の処理をすることになります。年末調整の書類を勤務先が回収した後に扶養親族が増えたというような場合には、扶養親族は実態よりも少なくカウントされていることとなります。
年末調整の適用基準は年末であって、勤務先が書類を回収した日ではありません。書類回収後に年末調整の書類に影響を及ぼすような異動事項があった場合には注意が必要です。
年末調整では処理できない項目も
最後にこのケースのように、出産というような多額の医療費がかかった場合は医療費控除の適用も考えられます。しかし、医療費控除・雑損控除・寄附金控除の3つは年末調整では処理できないため、確定申告で対応する必要があります。また、住宅ローン控除の適用を受ける場合の初年度も、確定申告で対応することになるので、注意が必要です。このように、年末調整で処理できる控除と年末調整の処理項目から外れる控除とを区分しておさえておくことも重要です。
つまり、説例を取りまとめると以下のような適用漏れが発生する可能性があります。
- 書類記入時の盲点→配偶配偶者特別控除の適用漏れ
- 年末調整提出時期の盲点→扶養親族の適用漏れ
- 年末調整の処理項目ではないという盲点→医療費控除の適用漏れ
年末調整をする際は、「昨年と同じように書いて提出」せずに、上記の3つのポイントに留意してみて下さい。
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