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forM トップページ 特集「大人のオートバイライフ」
10月13日更新
特集 憧れの輸入車と過ごす至福の日々 大人のオートバイライフ
オートバイを離れて、もう何年経つだろうか。男なら誰もが憧れたあのスピード感、どこまでも行けそうな可能性を秘めた魅惑的な存在。その美しい乗り物は所有し、走らせることでたちまち男たちを日常から別世界へといざなってくれる。
かつては憧れだった輸入オートバイも大人になったいまなら、手に入れることができるだろう。そして、風を感じ、自分を再生するためにオートバイと暮らす日々は、失われつつある「男のロマン」を、こころに取り戻してくれる。鼓動を耳に、クラッチをつないだ瞬間から時間の流れは変わる。大人のオートバイライフへ、ようこそ

文:いとうゆうじ  写真:金田邦男
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オートバイに還る日 with TRIUMPH THRUXTON 900 大人のための美しき輸入オートバイ Import Auto-Bikes
オートバイに還る日 with TRIUMPH THRUXTON 900
For M編集部が選んだ1台、 THRUXTONで軽井沢へ
ここ数年、大人の男たちがふたたび、オートバイへ還ろうとしている。それは大型免許が教習所で取れるという安易な理由からではなく、忘れてしまった愉しみを取り戻そうとしているかのように感じられる。クルマでは埋め尽くされない欲求を満たしてくれる何かが、オートバイにはあるのだと思う。その何かを探すためにFor M編集部で1台のオートバイを借りることにした。選ぶ基準は、がむしゃらに最高速を求めるのではなく、走らせること自体が快適であり、スタイルがエレガントであること、などである。

そして選ばれたのが、TRIUMPH THRUXTON 900。往年のカフェ・レーサーを彷彿とさせるデザインはマッチョではなくスリムで、どこか不良の匂いがする。
カフェ・レーサーとは、かつてイギリスのバイク乗りたちが、夜な夜な集いカフェからカフェへと移動しながらレースを愉しんでいたという逸話から生まれた言葉。THRUXTONに跨り、ドロップ型のハンドルやバックステップからつくられるライディングポジションを体感すれば、当時のレーサーたちの気分をもリアルに再現してくれる。
向かう先は、軽井沢。オートバイがもっとも絵になる風景が街中に溢れている魅力的な場所だ。
ヘッドライト横のイグニッションをオンにして、エンジンに火を入れる。控えめな排気音とともにTHRUXTONが目覚める。ギアを1速に踏み込み、スタートさせるとミラーに夜明けの街が流れていく。シフトを蹴り上げていくうちに、あることに気付いた。そのときすでに、こころは忙しない日常から解き放たれていたのである。
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大人のライディングを求めて 「快感速度」で走る
ほどなくオートバイは、高速道路へと入る。THRUXTONは思いのほか振動が少なく、レトロデザインに包まれたあたらしいオートバイであることを運転しながらあらためて感じる。エンジンの最高出力は70ps/7250rpm。中低速ではトルクに満ちた走りを堪能でき、高速では気分を高揚させる前傾のライディングポジションで心地よくクルージングを堪能できる。
周囲のクルマの流れに合わせて快適なスピードで走っていると、背後から逞しい排気音とともに国産スーパーバイクの群れがうねるように車線をまたぎ、THRUXTONを抜き去った。彼らの後ろ姿は誇らしげにも見えたが、抜かされたクルマにとっては危険を孕んだ行為として捉えられたかもしれない。同じオートバイ乗りとして、その走り方自体を非難する気はない。オートバイの好みが十人十色であるように、走り方も人それぞれだろう。
だが、大人のオートバイライフを愉しむうえで、いたずらにスピードを追い求めることは必要ではないように思える。走っている自分が快適であり、ドライバーたちに迷惑を掛けない程度のスピード、すなわち「快感速度」で走ることが、マナーなのではないだろうかという気がする。

上信越道へと進んだころ、ヘルメットのシールドに水滴が付きはじめた。水滴はやがて増え、左右へ流れるように散ってゆく。若干スピードを落とし、走ってゆくと看板が軽井沢のICまで間近であることを告げていた。高速道路を降り、軽井沢市内へとゆるやかなワインディングを抜けながら進む。シフトアップとダウンを繰り返し、コーナーを抜けたがTHRUXTONは必要なときにスロットルをひねればトルクを生み出してくれるので愉しい。軽井沢の街中へ着き、木陰の下でジャケットとヘルメットを拭っていると、やがて雨は上がった。
オートバイと過ごした1日が 教えてくれたもの
軽井沢市内では、街中をのんびりと流す。混雑はしていないものの、自然とストップ・アンド・ゴーの繰り返しである。THRUXTONのライディングポジションにも慣れたせいか、さほど前傾も気にならなくなってきた。むしろこのポジションでなくてはしっくり来ないような気さえする。クラッチは重過ぎず、ブレーキングは踏めばジワリと効くフィーリングで街乗りにも不便を感じることはない。時折、撮影のためオートバイを停めていると、過ぎゆくドライバーやライダーの視線がTHRUXTONに集まっていた。やはり英国の香り漂う独特の存在感が注目される理由のひとつだろう。その際立つ存在感は、これからTHRUXTONを手にするオーナーにオートバイを愛でる悦びを与えてくれるはずだ。

一通り撮影を終え、帰路に着く。オートバイは広報車であり、明日には返さなくてはならないのだが、THRUXTONへの愛着を感じている自分がいた。このようにオートバイは時として、単なる機械ではなく人間のように乗り手を魅了することがある。たとえばひとりでツーリングに出かけたとする。夜に包まれた、はじめて通る知らない道を進むとき堪らなく心細い。
だけど両足の間には熱を持ったエンジンがあり、ひとりじゃないことを伝えてくれる。 そんな時、オートバイは機械ではなく、旅のパートナーであることを痛いほどに感じるのだ。

たった1日ではあるがオートバイと過ごして感じたのは、ライダーはいつも風に晒されているということ。常に風を浴びながら、そこから些細な変化を感じ取る。それは森の香りや、雨上がりの湿気、夜を告げる気温の変化など、行く先々によって違うものである。この絶え間ない刺激は、移動する行為を愉しみへと変化させてライダーに伝える。オートバイは、どんなに短距離の移動であっても旅に変えてしまう、魔法の道具なのかもしれない。
オートバイライフを愉しむなら、ウエアも遊び心を持ってセレクトしたい。写真/右のライディンググローブはGUCCIのもの(ライター私物)。プロテクターが入っており機能的にも申し分の無い出来。ライダースジャケットは、BURBERRY BLACK LABELと野口強のコラボレーション。肩から袖にかけて入ったラインとタイトなシルエットがポイント。カラダのシルエットに沿ったデザインは一般のライダースジャケットにはない着心地の良さがある
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オートバイに還る日 with TRIUMPH THRUXTON 900 大人のための美しき輸入オートバイ Import Auto-Bikes
 
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この情報は2004年10月13日現在のものです
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