■根津の和風旅館で中国会席
若いカップルに囲まれてでは落ち着かない。フレンチにシャンパン、じゃなくて構わない。12月だからこそ、ゆっくりとおいしいお料理を楽しみたい…そんな方に一度足を運んでいただきたいのが、この「古月」だ。
場所は地下鉄千代田線「根津」駅から5分ほど、言問通り(こととい)を寛永寺のほうへあがり、ちょっと右手に入ったところ。
いわゆる“谷根千”の雰囲気を色濃く残す界隈を楽しみながら歩いていくと、「山中旅館」というスズメのお宿のような入口がみつかる。
旅館そのものの営業がはじまったのは、昭和23年。昭和初期に建てられた隠居所を改装した、こじんまりとしたたずまいで、静かな界隈にあっては、今もなお、夜などぽつんと明かりが灯っているような風情が漂っている。
写真は、昭和初期の面影を色濃く残す、旧館1階の洋室「琴の間」。すべて個室で、2〜4名用が和室を中心に5部屋。12名用が3部屋。2階には30名入れる宴会用の広間も。

店名の「古月」は、李白の詩<司馬将軍歌>の冒頭からとられた、と聞いている。
この大志にあふれる名前をもつお店のオーナーシェフであり、旅館三代目の山中一男さんは、六本木の四川飯店で修行した後、中国で腕を磨き、創造性あふれる中国料理、ヌーベルキュイジーヌをふるまっている。
その美味しさが噂を呼び、今や食事のお客さんと宿泊客の割合は完全に逆転。
みなさん玄関で「おいしかったわぁ」「見た目も素敵でした」と口々に語り、なんだか名残惜しそうにしているのが印象的だった。
メニューは、前菜からデザートまで、折々の食材を活かした月替わりのコースが用意されているのだが、この冬、とりわけ12月しか食べられないもののひとつに、「羊肉のしゃぶしゃぶ」がある…。
→ 羊のしゃぶしゃぶ「※刷羊肉 Shuang Yang
Lou」は次のページで!
※実際は「サンズイに刷」という字です。