All About Guide Impression vol.1 西川淳 × 207 Cielo

真似できないしなやかな乗り心地と、“天窓”の如き巨大なルーフ。
プジョー207Cieloに乗り込み、アクセルを踏み込めば、どんな気分になるのだろうか?
All About「輸入車」ガイドの西川淳氏が、New207Cieloの魅力を紐解いていく。

photo: Masayuki Arakawa text:Jun Nishikawa

フツウだけれど、真似できない




画像に触れると左に大きく表示されます



新しい207に乗り込んで、思い出したことがある。


もう15年も前のことだろうか。今では珍しくもない海外メーカーの開発者インタビュー。ボクにとって初めての相手が、プジョーの足回りのエンジニアだった。ヨーロッパの風物詩ともいえるゼネラルストライキの最中にも関わらず、静かなオフィスで二時間ほど熱心に語ってくれたエンジニア氏。彼の言葉で今でも印象に残っているフレーズが、「プジョーのアシって、フツウのようで、実は誰にも真似できないんだ」。


以来、プジョーに乗るたびに、よくできた走りの質感に感心しならがそのフレーズを思い出す。そして、こんなことも考える。ひょっとしてその真似のできない乗り味とは、プジョーというよくできたクルマをメディアにした、造り手と乗り手による共同的イマジネーションの産物なのではないか、と。


世界各国にデリバリーされるクルマである。当然、造り手はさまざまなシチュエーションを想定し、ベストと思える足回りを仕立てる。そこには積み重ねたノウハウやテクノロジー、経験があって、その組み合わせが“味”を生む。もちろん、電気仕掛けや複雑な手法を駆使してユニークな“味”をつくり出す手もあるのだが、プジョーはそれを潔しとしない。


極めてシンプルな仕立てで、全ての道を気持ちよく走らせる術を知っているかのようだ。それは、地元フランスのみならず、世界中の道の、さまざまなバリエーションへのイマジネーションが生み出す奇跡に近い。テストコースでいくら世界の代表的な道を再現しテストを繰り返したところで、とうてい生み出されるものではないからだ。


はたして、乗り手の側はそれをどう感じるのだろうか。それを確かめるために、プジョー207Cieloに乗ってみた。

プジョーから見える、色ある世界

グリルまわりの見栄えに、どこか迫り来るものがあって印象的だ。乗り込めば、以前に比べると、インテリアの雰囲気も、シャープな色合いが増して、上質な雰囲気を醸し出す。上目遣いにするだけで、空が見える大きなパノラミックグラスルーフ。室内は、とても明るい。


ハナ歌混じりで走り出す。妙に陽気な気分になっている。明るい室内だから、というだけじゃない。しなり具合のいい土台の上でハンドルを握っているという心地よさが、そんな軽い気分にさせる。


道、標識、建物、街路樹、歩道橋……、見慣れた景色が流れて行く。パノラミックガラスルーフを通じて、背の高い景色の、普段とは違う佇まいに気づくと、さらに心が明るくなる。ただただ無機質なだけに思っていたビル群だって、その先に青い空が見えたりすると、人工と自然とのコントラストも鮮やかで、どこか嬉しく思う。目の端に、そんな細やかな情報が瑞々しく映し出されて、いつもの道を走っているだけなのに、ちょっと得した気分になるのだった。

全ての道が、プジョーの道となる

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石井健×Peugeot 207SW

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そのまま走り続けていると、景色がだんだん自分の好きな空気をまといはじめた。ボクの場合、それはヨーロッパの街や畑、野の空気感だ。石畳の道なんてここにはないし、それにクルマはフツウの舗装路をどこまでもしなやかに走っているのだけれど、ヨーロッパの都市の細い街路を床下に想像できてしまう。それはきっと、どんな道を走っていてもプジョーはプジョーらしい走りの質感をみせてくれるからなのだと思う。ハナ歌まじりのドライブは、いつしか思い出へのトリップとなった。


ふだんの生活において、見えているもの、聞こえてくるもの、匂ってくるもの、触っているもの、感じているもの、がそれぞれ真実に忠実であればあるほど、人間はその輪郭におぼろげな隙間を見いだすものだ。その隙間に小さな、けれども深い想像力の余裕が生まれて、ボクらはいつでもどこでも心を豊かにすることができる。クルマを運転しながら同じような感覚を味わいたいのなら、やっぱり基本に忠実でマジメな作りのクルマが相手でなきゃいけない。作り手の思いがしっかりとあって、それを乗り手もきっちり感じることのできるクルマ。


ボクたちの手が届くところにありながら、けれども、日常に確かな彩りを与えてくれるプジョー207は、そういうクルマの好例だとボクは思う。

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提供:プジョーオフィシャルサイト
掲載期間:2010年3月3日〜12月31日 【PR】